SlofiAで2020年に注目を集めた記事(1)

2020年は新型コロナウイルスのニュースで溢れかえった年であったが、今年も時期別にアクセスを集めた記事で振り返ってみよう。

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1~2月:新型コロナウイルスと性風俗

新型コロナウイルスが本格的にニュースとなり始めた年当初から2月にかけて最も多くのアクセスを集めた記事がもし日本で新型コロナウイルス感染が拡大するなら性風俗がハブになる可能性である。

この当時は「武漢からの観光客から感染が拡大することを如何に阻止するか」というのが主題となっていた時期であり、当サイトでもその感染経路の一つとして提示したものだった。実際、マスコミでは散々に「夜の街」と濁して表現された「経路不明の感染経路」であるが、感染した時に他者に言いづらいのは、キャバクラよりも性風俗であり、一定部分でこの指摘は当たっていただろうと想像される。

3月:新型コロナウイルスとインド

3月に多くのアクセスを集めたのが何故インドは新型コロナウイルス感染者が少ないのかである。ここでは「暑さ」などを原因とする関連する報告を指摘したものであった。しかし、この指摘は完全に外れである。

確かに人口100万人当たりの感染者数は、2020年12月21日時点で7,254人で108位(Worldometer)と少ないが、人口の多さで絶対的な感染者数は100万人を超え、15万人近くの死者が出ている。結果的に早期にロックダウンをしていたことで初期の感染者数が少なく抑えられていたが、経済活動を再開することで一気に拡がったのがインドである。

気温が大きく影響することは確かだが、この記事は誤った判断だったと言えよう。

4月:新型コロナウイルスとタイ

3月に公開した記事だが、4月にアクセスが増えたのが新型コロナウイルスが暑さに弱いかはソンクラーン後のタイを見るべきである。タイの正月(ソンクラーン)が本来は4月であることが要因で、ソンクラーンで帰省することによって冷房が普及していない地方で感染がどの程度拡がるかを見るべき、という記事である。

実際にはソンクラーンが延期されてしまい、インドのように暑くても拡がっている国が多く出てしまったので、4月時点ではそれほど意味のある記事ではなくなっていたが、当時は今よりも不明点が多かった新型コロナウイルスに筆者も含めて惑わされていた証左である。

5月:新型コロナウイルスとAIブーム

5月になって急激にアクセスが増えたのは第3次AIブームの終わり:AIの「冬の時代」である。これは2月に公開した記事であるが、新型コロナウイルスに伴う景気後退や、ソーシャルディスタンスを実現するための各種自動化・リモート化に伴う投資が多く叫ばれたことに起因してアクセスが伸びたのだろう。

今になって見れば、単純な景気後退ではなく、ウイルスに伴う急激な景気後退であり、代わりにリモートワーク投資が増えたので、すぐに「AI冬の時代」がやってくるわけではない。しかし、今はリモートワーク関連で過剰に投資されている側面もある。

経済正常化などによって過剰投資が見直されることになれば、一気に反動が来る可能性もある。これは、2000年問題に備えてITバブルが発生し、その後崩れたのと同様の構造と考えている。尤も、ITバブルにしてもそうだが、一度バブルが弾けてから本格的に成長するのはAIも同じだと考えている。

6月:新型コロナウイルスとゴーゴーバー

6月に多くアクセスを集めたのが衰退するバンコクのゴーゴーバーである。前述の性風俗の話もそうだが、エロ関係がタイトルに含まれると、アクセスが増える傾向がある。別に狙っているわけではないが、そうした用語に釣られた人は、その記事だけ読んでがっかりして帰っていくようである。(この種のタイトルの記事はコンバージョン率が非常に低い。)

それは兎も角、現在のタイは外国人観光客の53%が女性となっており、性産業が観光に占める割合は低下しており、長期的に衰退してきたのがゴーゴーバーである。そして新型コロナウイルスに伴うロックダウンで一気に壊滅的な状況になっている状況を捉えたものであった。

現状は賄賂で見過ごされている分野ではあるが、先進国入りを目指す過程で、ますますこうした産業への圧力は強まっていく可能性があり、新型コロナウイルスが無くても徐々に縮小していく分野というのが今の見方である。

続き:SlofiAで2020年に注目を集めた記事(2)

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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