SlofiAで2020年に注目を集めた記事(1)に続き、今回は2020年下半期である。
7月:新型コロナウイルスとテレワーク
富士通が在宅勤務手当を月額5,000円支給するといった記事に対して書いたテレワーク補助はいくらが妥当かが、7月に多くのアクセスを集めた記事であった。
通勤手当やオフィスの家賃や光熱費を考えれば、東京23区ではオフィスコストは従業員1人当たり平均7万円というデータがあるだけでなく、そもそも在宅勤務をすれば自宅の通信費や光熱費などでコストがかかる。他にスイスでは「自宅で仕事をさせる=企業が従業員の自宅をオフィスとして借りている」という発想で訴訟が起こり、従業員が勝訴した事例なども考えれば、本来は4~5万円くらいが適正な在宅勤務手当という記事である。
実際のところ、在宅勤務手当が1円でも出る企業の方が少なく、出るだけでマシというのが現状だが、テレワークは労働者にコスト負担を強いることで成立するというのは労使双方が認識すべき事実だろう。
8月:顔採用従業員の負債化
夏場で少し新型コロナウイルスの感染が収まってきた頃、アクセスが多かったのがIT企業の顔採用女子が負債化するのは年齢だけが問題ではないである。
これはIT企業で(技術が無いけど可愛い)顔採用された女性従業員が高齢化することで会社のお荷物になっているという当時盛り上がった話題に対し、
- 経営陣が変わって技術主義に変わると、若くても顔採用女性従業員がお荷物になるケース
- 顔採用女性従業員の役割は、男性従業員のモチベーションを上げるだけでなく、「営業への付添い」という面がある
という2つの指摘をしたものである。特に後者は、営業に連れていくだけで話を聞いてもらえる確率が5割増(主観)であり、表立っては言いにくいが重要なテクニックである。
9~10月:人工知能で株価を予測したい人へのヒント集
1年以上前に書いた記事だが、現時点で7回までシリーズ化して書いている人工知能で株価を予測したい人へのヒント集が急上昇した。相場が過熱してきたところでワンチャン狙いたい投資家が増えてきたのが要因だろう。
「キリの良い数値」や「ノイズ」など常識として扱ってしまいがちなデータにこそ注意すべきという指摘や、株価とAIで必ず出てくると言っても良いと言える時系列分析の限界、ニュースフィードを画像として捉えるといった提案など、幾つかのテーマで書いたものだ。
難しい分野であるが、初歩的な部分で躓きやすい内容だけでなく、行き詰まったときのヒントとして有用と考えている。
11月:砂糖
筆者が今年特に注目してきたのが砂糖である。新型コロナウイルスにおけるショックで一時は大幅に下落したものの、現在は順調に回復してきている。これは需要面だけでなく供給面での影響も大きい。
2月に書いた記事だがアクセスが伸びたのが世界の砂糖摂取習慣はどう変わっているかである。砂糖曹丕の増減は地域差が大きく、全体として砂糖生産国の消費量は多いが、南米のように健康志向などで減少しつつある地域がある一方で、タイなどは相変わらず多い。生活習慣病の問題で広告規制などが進む国も増えているが、経済成長にとって消費量自体は全体で増加しつつあるのが現状である。
この意味で、需給面だけでなく政治的な影響も受け、また関連する産業も多い上、サトウキビエタノールなど燃料との関連もあり、砂糖は非常に面白いコモディティである。
12月:業務スーパー
12月に最もアクセスを集めたのはまさかの業務スーパーの鶏もも肉2kgの衛生的な解凍方法である。昨年のタピオカブームに続き、今年は新型コロナウイルスに伴う巣ごもり需要などでイケイケの神戸物産で、最近も本店を兵庫県加古郡稲美町から兵庫県加古川市に移転するなど話題に事欠かない。
業務スーパーのブラジル産鶏もも肉2kgは非常に安く、家計の見方であるだけでなく、スナックなど小規模な業者もまとめ買いしていく優良商品であるが、なんせ大きいので普通の家庭用冷蔵庫には入れにくい。そこで解凍してから保存することになるわけだが、その時のベトナムの知恵を紹介したものである。
今月になって増えたのは、やはりクリスマスなどで鶏肉の消費が増えるからであろう。