世界の砂糖摂取習慣はどう変わっているか

健康志向や食育、医療費の高騰など様々な観点で砂糖税や砂糖広告規制、飲食物への砂糖含有量の減少など、東南アジアやヨーロッパを中心に広がっている。

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では、実際に世界の砂糖消費量はどのように変化しているのか。以下は農畜産業振興機構が提供する図表を改変したものである。1人当たりの年間砂糖消費量(粗糖換算量kg)および2011年から2019年の変化率を国別に示している。年間消費量が50kgを超える場合は赤色、変化率は10%以上増加の場合はオレンジ色、減少の場合は青色で色分けしてある。

2011-2019年の主要国の1人当たり年間砂糖消費量(粗糖換算量kg)
出典:農畜産業振興機構

全体としては砂糖生産量の多い国(タイ、ブラジル、米国、EUなど)は、中国やインドを除いて砂糖消費量が多い傾向にある。しかし、地域別に見ればその消費量やその変化には特徴がある。

アジアはタイを除いて砂糖消費量は全体的に少ない。タイは増加率も高いが、2019年に砂糖税を導入した。これが今後の消費にどう影響していくかは気になるところである。タイは緑茶にも砂糖が入っているし、ブラックコーヒーを注文しても砂糖が入っている。ベトナムもそうだが、コーヒーに入れるミルクといえば「練乳」の事であり、かなり甘党の人が多い印象がある。(練乳の他に砂糖も入れる。)

ヨーロッパは消費量が増加している国と減少している国で二分している。アジアから砂糖文化がもたらされて以降、アジアよりも砂糖消費量は多い傾向にあるが、オランダやポーランドのように砂糖消費量が多く更に増えている国もあれば、フランスやウクライナなど大幅に減少している国もある。オランダは個人消費は減っているが飲食物への含有量が増えてきた経緯があり、最近は少し減らそうという動きがあるようだ。

中米は全体的に消費量が多く、その増加傾向も著しい。中米で砂糖生産量が多いメキシコは減少傾向にあるものの、その周辺国が増えているのは経済成長の度合いによる違いがあると思われる。

米国はアメリカ大陸の中では少ない。糖分の過剰摂取者と健康志向の人で二極化しているというのもあるが、そもそも米国の場合は砂糖よりも塩分・脂質の方が問題となっている。

世界で最も砂糖生産量が多いブラジルは相変わらず消費量は多いが、それでも大幅に減少している。これは和食ブームや健康食品・ダイエット食品ブームなどが続いており、更には人工甘味料の消費も増えているのが理由である。アルゼンチンやエクアドルも似た傾向にある。

アフリカ大陸は南アフリカを除いて増加傾向にあるが、これは経済成長に伴い砂糖消費量が増えている。エスティワニ(旧スワジランド)においては砂糖は国の基盤産業の一つであり、他の砂糖生産国と同様に砂糖消費量は多い。但しその1人当たり消費量は世界的に見ても突出している。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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