インドの余剰砂糖はインドネシアへ輸出される可能性

世界の干ばつが砂糖不足を引き起こすで整理したように、世界的な干ばつによりタイを中心に砂糖生産量の減少が予測されており、2019年末から粗糖価格は上昇傾向にある。

一方でブラジルで砂糖生産量が回復する可能性やインドが在庫を放出する可能性など、価格下落リスクも当然ある。東南アジアで進む砂糖税の動きなど需要を押し下げる要因もあり、砂糖生産量が減るからと言って砂糖価格の上昇が続く保証は無い。

ブラジルがバイオエタノールを砂糖生産に切り替えるには時間がかかり、砂糖税の動きも世界全体の消費から考えれば短期的には砂糖需要を大幅に引き下げるものではない。目下のリスクはインドの在庫放出である。

これに対してインドネシア砂糖協会の上級顧問ヤディー・ユスリヤディー氏は、インドネシアは世界第二位の砂糖生産国であるタイからの出荷が減少するため、代わりにインドからの輸入が大幅に増える予測を示している。

2011年以降、インドネシアの砂糖輸入量は年間10~18.4万トンで推移(2019年は過去10年で最低の10万トン)しているが、インドネシア砂糖協会は2020年の砂糖輸入量は130万トンと10倍以上に達すると予測している。

基本的にはタイが主な輸入先となるが、タイからの輸入量が減ると見られており、インドネシアから距離が近いインドとオーストラリアからの輸入を目指している。

オーストラリアもタイほどではないが2020年は13%ほどの生産量低下が見込まれており、需給がタイトになる可能性がある。余剰在庫が多いのはインドであり、インドからインドネシアへの砂糖輸出が一つのキーになりそうだ。

参考文献:Bloomberg, “The World Is Running Short of Sugar and Top Buyer Wants More”, 12 Feb 2020

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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