米国人による国内大麻ツーリズム

米国では2019年末時点で33州で医療大麻が合法化されているが、娯楽的利用が合法化されているのは11州とワシントンDCのみにとどまる。大麻が蔓延している米国ではあるが、合法的かつ多様な大麻製品を消費するために国内旅行として大麻消費を行なう大麻ツーリズムが活況である。特に2014年に米国で最初に大麻の娯楽的利用を合法化したコロラド州は人気の旅行先であり、2019年のコロラド州の大麻関連歳入は10億ドルを超えている。

2014年から医療大麻についての情報提供を行っているAmericanMarijuana.orgは、娯楽目的で他州で大麻を購入・消費するために旅行した1,003人にアンケート調査を行い、その結果を公表した。レポートでの図の転載が認められているので、それを引用しつつ内容を紹介することにする。

American Marijuana, “Marijuana Destinations: Exploring People’s Travel Experiences for Recreational Marijuana”

注:日本の大麻取締法は、国外における大麻の栽培・所持・譲渡・譲受などに罰する規定があり、罪に問われる場合がある。本稿はあくまでも投資関連情報として本レポートを紹介するのみであり、決して大麻ツーリズムを奨励するものではない。(参考:外務省「海外安全ホームページ」

以下の棒グラフは、娯楽利用としての大麻ツーリズムの目的地の上位5州である。冒頭で指摘したコロラド州が52.2%と大麻ツーリズムの場所として選ばれるケースが半数を超えている。都市の大きさや他の観光資源も関連してカリフォルニア州が次いで多い。

その下の円グラフは、旅行者の居住州の大麻が合法化されているかについてのデータである。左の娯楽利用(RECREATIONAL)が認められている州に住む人が28.5%もいるのが興味深い。これはコロラド州やカリフォルニア州などでは後述するように多様な大麻製品が存在するなど観光資源が充実していることが理由である。

グラフの間には、57.3%が自動車で旅行し、飛行機での旅行は36.5%であると示されている。これは車社会である米国において自動車旅行が多いのも理由であるが、レポートでは購入した大麻を自宅に持って帰るため(飛行機に大麻は持ち込めない)と分析されている。

大麻ツーリズムにおける主な旅行先と居住地の状態

実際、下図のように大麻を持ち帰った人は56.7%に達する。月1回以上大麻を利用する人は60%以上持ち帰っていることが分かっている。多くの場合自動車か郵送が使われているが、飛行機で運んだ猛者も7.2%いるようだ。

大麻ツーリズムにおける自宅持ち帰り

実際に何を買うかと言えば、大麻利用食品(Edibles)が69.0%と最も多い。次いで大麻(Marijuana buds/leaves)が57.1%、大麻タバコ(Prewrapped joints)の38.8%と続く。注目されているCBDオイルなどはその下につく。娯楽利用が合法化されている州からの大麻ツーリズムを行なう人がいるのは、コロラド州などは大麻利用食品など製品がより多様化しているという側面もある。

次のグラフは、大麻ツーリズムにおける大麻消費の予算206.06ドルに対し、実際には264.74ドルと多めに使ってしまう傾向を示している。これは平均して大麻ツーリストは2.7の薬局を訪れ、38.3%は無料サンプルなを受け取るなどして結果的に消費が増えていると見られる。

一番下のグラフは大麻の利用頻度別に直近の大麻ツーリズムで何グラムの大麻を購入したかを示している。毎日(Daily)利用する人の購入量が31.0グラムと最も多い。これは多くの大麻合法化州では1オンス(28グラム)の大麻が購入可能であり、ある程度常用する人は法規制限界まで購入する傾向があると言える。

大麻ツーリズムで何を買うか

最後の図は、大麻ツーリズムでの支出内訳である。前述の大麻製品購入額264.74ドルは全体支出980.32ドルの27%を占め、アクティビティなど他の観光が少ない傾向が見られる。大麻ツーリズムを行なうような人は文字通り大麻ツーリズムが目的であり、大麻消費・購入に集中している様が特徴である。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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