東京マラソンの参加費返金無しのような「変な商習慣」は他にもある

新型コロナウイルスの影響により東京マラソンの一般参加者枠を中止し、その参加費が返金されない(来年の出場権は優先的に付与されるが参加費の支払いの必要がある)ことが問題になっている。

朝日新聞「東京マラソン一般参加者枠取りやめ 参加料は返金応ぜず」2020年2月17日

規約上中止となった場合に返金されないということだが、これに関しては筆者も含めマラソン大会の門外漢にとっては奇妙な規約に思える。例えばお笑い芸人のカズレーザー氏も、

「マラソン大会、基本的にそういうものだと伺ったんですけど」と前置きし「よく分かんないですけど、自然災害があった場合は払い戻しがあって、主催者判断の時は払い戻しがないって伺ったんですけど、逆じゃないんですか?」と疑問を呈した。

ヤフーニュース「カズレーザー、東京マラソン参加料規約に「逆じゃないんですか?」」2020年2月18日

と、「一般的な規約」とは逆のような印象を受ける。

エリート選手枠のランナーは出場できるため、規約上の「中止」にあたるかは微妙だが、主催者判断による中止で参加費が返金されないというのはマラソンにおいては普通の商習慣であるようだ。

筆者ももし参加費を支払う立場であったら文句を言っているだろうが、客観的に見れば多くの批判者は単に「外野が特殊な商習慣に文句を言っている」だけである。

実際、このような「変な商習慣」は珍しくない。例えば筆者がよく知るオーケストラなどクラシック音楽のコンサートのチケットにおいては、基本的に指揮者やソリストなどの出演者が変更になった場合も払い戻しがされるケースは少ない。小澤征爾氏のような一流の指揮者の病気により別の(決して同格とは言えない)指揮者に変更になってもである。

この業界を知らなければこんな商習慣がまかり通っている事に驚くだろう。例えば同じ音楽でも人気アイドルグループのチケットを買った後に出演者が知らない別のアイドルグループになったのに払い戻しができないと言われれば大問題になるはずだ。

今回の東京マラソンのケースでは、新型コロナウイルスという「旬のネタ」に関連し、外部にその商習慣が知れ渡った事で大きな話題になったが、 こうした「変な商習慣」は探せばいくらでもあるはずだ。 恐らく、こうした「変な商習慣」は相対的にニッチなビジネスにおいて多いはずだ。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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