大手保険会社であるプルデンシャルのシンガポール法人が、2021年は最大500人の金融コンサルタントの採用・育成を目指す方針を示した。具体的には、プルデンシャル・シンガポールは、2021年1月からタレントマネジメントプログラムに100万ドルの投資をしており、それに選ばれた約200人の中途採用者を含む最大500人の採用・育成を開始している。
タレントマネジメントプログラムは、各種技術・製品、リーダシップ、コミュニケーション、ソーシャルメディアコンテンツなどについての1年間のコースを含む2年間の訓練が行われる。プログラムの参加者は2年以上の関連する実務経験を持ち、訓練中は月額最大1万ドルの手当を受ける。
プルデンシャルの狙いは2つある。まず、新型コロナウイルスのパンデミックによって、医療や保険の重要性が浮き彫りになり、そのニーズに対応するための人材確保をするためだ。
そして、パンデミックによる業績不振などによる倒産や解雇によって溢れた人員がキャリアを再構築する機会を与える狙いもある。例えば、タレントマネジメントプログラムの参加者には、航空会社のキャビンアテンダント、旅行代理店従事者、デジタルマーケティング会社での実務経験を持つ人が含まれている。
保険販売がデジタル化されてきているとは言え、未だ代理店による対面販売も多く行われ、オンラインでの販売でも様々なノウハウが必要であり、そのための人材育成は不可欠となる。パンデミックが起こしたショックは不運なものではあるが、見方を変えれば人材の宝庫が生まれているとも言えるだろう。
参考文献:The Straits Times, “Prudential hiring up to 500 consultants next year”, 19 Nov 2020