Z世代の情報処理・消費行動プロセス【非インスタグラムユーザー向け】

生まれた時からインターネットが身近にあるZ世代の情報処理行動や消費行動について知る上でタグ検索は欠かせない。こうした人は、Google検索よりも、ツイッターやインスタグラムでハッシュタグ検索をするのが情報収集のメインになりつつあり、それが消費行動にも密接に関係している。

ニッセイ基礎研究所の廣瀨氏が書いた考察が非常によく整理されていて興味深い。インスタグラムで日常的にタグ検索をする人にとっては、出てくる学術的な用語以外には目新しいものは無いかもしれないが、当サイトのメイン読者層のようにインスタグラムはどちらかと言えば付随的に利用する人が多ければ読む価値がある。

ニッセイ基礎研究所 廣瀨涼「「ググる」より「タグる」?-Z世代の情報処理に関する試論的考察」2020年11月19日

廣瀬氏によれば、当初の「インスタ映え」のような承認欲求に基づいたインスタグラム利用よりも、最近のZ世代は「モノ消費に見えるコト消費」で自分を表現している。「モノ消費に見えるコト消費」とは「その商品を消費することで自分ならどのようにその商品を消費し、表現することができるか」を意味し、これこそがタグ検索で他のユーザーの仕方を調べた上で、それを自己の行動のきっかけにするというプロセスに繋がる。

その過程で使われるのがスクリーンショットとハッシュタグであり、廣瀬氏は前者の情報処理を「データベース型」、後者の情報処理を「クラスタ型」と呼んでいる。スクリーンショットによるデータの保存は、他者に拡散するよりもURLコピペの手間や通信容量の抑制に繋がるといった理由から多用され、一種のデータベースとして利用されている。クラスタ型の情報処理は、ハッシュタグや位置情報、趣味ごとのアカウントの使い分けなどで、特定の興味に従ってタイムラインの情報のテーマを統一するという方法を指す。

こうした情報処理・消費行動のプロセスを、産業能率大学小々馬ゼミが試論的に発表しているZ世代向けの消費心理プロセス「EIEEM」として紹介されている。

EIEEMは、Encounter(遭遇)、Inspired(ときめき)、Encourage(勇気づけ)、Event(イベント)、Mimic(真似)からなる。膨大な情報の波からさまざまな情報と“遭遇”するわけだが、そこで“ときめき”を感じた情報をデータベースとして保管するか、消費行動を起こすか選択がされる。消費行動を起こそうと考えた際に“勇気づけ”として他の消費者の消費行動を参照する。

ニッセイ基礎研究所 廣瀨涼「「ググる」より「タグる」?-Z世代の情報処理に関する試論的考察」2020年11月19日

単なる「口コミネットワーク」ではなく「他人の消費行動の疑似体験」としてハッシュタグ検索が利用されており、それこそがZ世代の行動プロセスの特徴ではないか、というのが全体の流れである。

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