LIFULL HOME’Sが先日発表した「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング(首都圏版)」において、4年連続1位の池袋が5位に後退し、本厚木が1位になったそうだ。
LIFULL HOME’S「緊急実施! コロナ禍での借りて住みたい街ランキング(首都圏版)」2020年9月8日
この種のランキングの中には実態として「LIFULL HOME’Sに2020年4月~8月に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した”実際に探されている街・駅”のランキング結果」だそうだ。
全体的な傾向として「都心から距離があるが電車1本で都心に行ける」「郊外のターミナル駅で生活利便性が高め」というのがLIFULL HOME’Sの分析である。在宅ワークの推進などで、必ずしも都心に近くなくても良いというところから、検索や問い合わせの傾向が変わったというのが特徴である。
厚木に関しては以下のような意見もある。
厚木と海老名のローカル誌「noma」でライターをする村田真梨子さん(30)は、昨年結婚を機に厚木市に引っ越した。村田さんによると、厚木市は中学生まで子どもの医療費が無料だったり紙おむつを支給したりと、子育て支援が手厚いという。「隣接する海老名市はららぽーとの開業などで、5年ほど前から家賃が高い状態。一方の本厚木は交通の利便性が高いのに割安感がある。大学が四つあり、物件も多い」。本厚木が1位となったことに、「コロナ禍で都心にこだわる理由が減っている今、良いことばかり」と納得する。
朝日新聞デジタル「コロナ禍で東京離れ? 住みたい街ランク、1位は本厚木」2020年9月9日
一方で、この種のランキングで人気だった「武蔵小杉」などで思い出すように、災害リスクについては注意しなければならない。これは家を買うのではなく「借りて住む」だから、大きなリスクではないかもしれないが、2013年の記録的大雨による浸水被害などもあり、全く気にしなくて良い問題ではない。
Web魚拓:NAVERまとめ「【現地画像】本厚木駅前付近が浸水でヤバい 道路がプール状態【速報】」2013年4月7日
こういう時はハザードマップを見るに限る。以下は本厚木駅(画像中央部)周辺の「洪水浸水想定区域(計画規模(旧凡例))」を示している。その下の凡例と併せてみれば分かるが、本厚木駅周辺は0.5m未満と軽度ではあるがハザードマップにリスクが示されている。もう少し南側に行くと1m以上のリスクとなる。
これは、相模川流域ではあるものの、標高で言えば18.7m(本厚木駅)とやや高台に位置しており、軽度の洪水で浸水してしまう環境ではないということと整合的である。但し、地盤は緩いので地震が来た時は揺れやすいという傾向がある。