米の自給率上昇を目指すマレーシア

マレーシアは伝統的に米の自国生産量と輸入量は、70:30政策を採っていたが、新型コロナウイルスによるロックダウンで輸入がストップした事を背景に、少なくとも自給率を75%以上に引き上げると目標を見直した。

マレーシア政府の2021年農業セクター予算は49.7億RM(1,265億円)であり、コメ農家など農業は勿論、水産業などへの予算も含まれる。32.8億RMは農業センターの維持運営のための予算、15.1億RMは開発のための予算である。

この内、padi(マレー語で「ごはん」)関連の補助金は15.7億RM(400億円)と31%を占める。これらは直接的な価格補償のための補助金や肥料補助金、穀物生産へのインセンティブなど全体的にコメ農家を補助するものである。中には山岳稲作農家のための補助金といった新しい形のものもある。マレーシアの都市圏は計画的に開発されているため、使われていない土地は多いが、山も多いのが背景だ。

また、ロナルド・キアンディー農業食料産業大臣は、開発のための予算には、イネの品種や肥料の選定や土壌調査、灌漑システムの調査、機械化などコメの生産収量を上げるための予算が含まれていると述べた。

コメ市場においてマレーシアの露出度は小さいが、ジャポニカ米の生産を増やそうとしているタイなど、気候や疫病などの影響が東南アジアのコメ生産に変化をもたらしているという一例である。

参考文献:The Star, “Malaysia aims to raise rice production”, 17 Nov 2020

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