Z世代が社会に出始めているアメリカ

昨年の記事であるが、ZeroCater社のZ世代(Generation Z)についての記事が海外で広く共有されている。Z世代とはアメリカで1997~2010年代に生まれた若い世代のことで、今年に入って共有されているのは、Z世代の年長者が社会に出始めているからだろうと思われる。

記事で対比されているのは1980~1996年に生まれたミレニアル世代(Y世代)である。両者の違いは以下の通りである。(尚、以下に掲載するデータはすべて上記事の筆者訳である。)

ミレニアル世代Z世代
生まれた時期1980~1996年1997~2010年代
成長した時期好景気不景気
心理的傾向理想主義者実用主義者
消費傾向体験を重視貯蓄を重視
モバイルパイオニアネイティブ
ブランド選好価値を共有できるブランド本物志向のブランド
SNSFacebookとInstagramSnapchatとInstagram

最も異なるのは育った時期の景気状況である。Z世代はリーマンショック後の不景気の時代に親を見ながら成長しているので、実用主義者(プラグマティスト)であり貯蓄を重視する傾向があると言われる。記事によると、Z世代は2020年までに米国の消費者の40%を占めると言われており、今後の貯蓄性向などに大きく影響を与えるかもしれない。

インターネットやモバイルに関しては生まれた時から存在しており、まさに「デジタルネイティブ世代」であり、

  • 98%がスマートフォンを保有
  • 1日に10時間 以上オンラインに繋がっているのが50%
  • 毎日2時間以上YouTubeを観るのが70%
  • オンライン上の繋がりが無くなる事に不安を覚えるのが80%

と、ネットワークとモバイル端末が存在しない世界が考えられない世代である。

その反面、「面と向かった会話」を好む割合が72%とネットワークが当たり前だからこそ敢えて対面でのコミュニケーションを大事にする傾向も指摘される。但し、この点についてミレニアル世代がどうなのかが書かれていないのでなんとも言えない。

貯蓄を重視する一方で、キャリアに関しては固定観念的なアメリカンドリームも根強いようで、

  • 夢のある仕事を求める傾向
  • 事業を始める予定がある学生は39%
  • 人生で最も重要なものとして「成功」を挙げる人が53%

と、貯蓄や安定を求める人と積極的なキャリアアップを求める人で二分しているような傾向も見られる。属性毎のデータが書いていないので分からないが、Z世代は過去に例が無いほど人種が多様化しているので、人種や所得によって変わる傾向もあるかもしれない。

他にもたくさんの興味深いデータが書かれているので、リンク先に書かれている画像データも以下に共有しておこう。

The Workforces Newest Members: Generation Z InfoGraphic
MEET GENERATION Z
出典:ZeroCater

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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