Sell in MayはSell in June

Sell in Mayという言葉は誤解されている。正しくは”Sell in May and go away. Don’t come back until St Leger day.”であり、5月に売って9月まで戻ってくるなという意味であるが、5月に売るというのも文字通り解釈すべきではない。正確には、5月はパフォーマンスが高いので、それくらいで手放して夏枯れ相場を避けるというくらいの意味である。

5月という字面に引っ張られすぎない方が良い。寧ろ、今年の5月の相場が好調だったことを考えれば、5月早々に売るのは正解ではなかったかもしれない。結果論に見えるかもしれないが、もし5月が統計的に高パフォーマンスというアノマリーが存在するならば、下がり始めで売るという投資のセオリーから考えればSell in Juneになるはずだ。

しかも、これまで新型コロナウイルスで経済はボロボロのはずなのに「マイナス材料出尽くしで上げ」という直感とは反する相場が多かった。世界中で経済活動再開の方向にいき、新型コロナウイルスがマーケットにおいて重要性が低くなれば、今度は冷静にマクロ経済が評価されるようになる可能性が高い。

再び米中関係が大きなポイントになれば、マーケットは悲観的になるかもしれない。そうすると、PERベースで割高な状態が続く米国株などは、これから一度調整される可能性が高いと考えられる。

そして、次に株式市場が大きく上昇すると考えられるのは大統領選であろう。大統領選のために夏以降は積極的な経済政策などが打ち出されるはずである。過去の傾向から大統領選イヤーに株価が割高になりやすく、共和党政権の時に特に顕著である。

そうすると、”Sell in May”改め”Sell in June and go away. Don’t come back until St Leger day.”というのは新型コロナウイルスで荒れた米国市場においても有効な格言になるかもしれない。

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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