ロイター通信によると、マレーシアとシンガポールは、両国間の高速鉄道計画(HSR)を年末12月31日まで再延期することに合意した。
Reuters, “Malaysia, Singapore defer high-speed rail project until year-end”, 31 May 2020
2013年に両国が発表した約170億ドルの本プロジェクトは、日を追う毎に肥大化し、2018年には250億ドルまで増加していた。2018年のマレーシアの政権交代を機に計画全体が見直されることになった。しかし、プロジェクトの中止は莫大な違約金を生むため、マレーシアはシンガポール側に補償金を支払って2年間延期することで合意された。その合意が切れたのが昨日5月31日である。
今回の再延期は「最終延期」とされており、年末までにプロジェクトについて望ましい結論を目指すと双方が合意している。
マレーシアのジョホールバルとシンガポールを結ぶ道路の交通渋滞は深刻で、高速鉄道輸送は両国民による悲願であった。しかし、コスト面の上、外交問題も関連して順調に進まなかったのが本プロジェクトである。その間、関連予算を計上することで交通渋滞緩和策を取ってきたが、本質的な改善ではないのが事実である。
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この決定により、当初2026年末に完工する予定だった高速鉄道計画は、2031年1月まで伸びることになる。