空港と一体化している都市として、表題のようなエアポートシティ(airport city)とかエアロトロポリス(aerotropolis)という風に言われることがある。
どちらも同じ意味で使われることもあるが、エアポートシティは単に空港と隣接している都市の事を指すケースが多い。
対してエアロトロポリスは、 パリのオルリー空港や米国のボストンのローガン空港、新しいものならドバイのアール・マクトゥーム国際空港など、単純に都市と空港が近いだけでなく、
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それぞれの連携やアクセスなどを考慮した都市の事を指す。
郊外にバカでかい空港を建設し、周辺の中小規模の空港と接続するハブ空港のシステムは、「より遠く」を接続して経済活動を円滑化することによる「規模の経済」を追求するものだが、エアロトロポリスは多様な事業分野などを「より広く」接続することによる「範囲の経済」を追求するものである。
空港に近いエアポートシティは多いが、空港を中心に据えたエアロトロポリスは、都市設計の段階からの工夫が必要である。
エアロトロポリスが効率的に成立するかは不明確だが、スマートシティを目指すベトナム・ダナンのような新興都市では、エアロトロポリスを目指す必要性が主張されている。
先日も空港建築家であるNgo Viet Nam Son氏が2045年までのダナン開発マスタープランについてコメントしており、エアロトロポリスを構築することの重要性を指摘している。
ただし、現時点では「単に空港に近い」だけで、実現には空港の移転が必要としている。
下の地図を見ると、ダナン国際空港は一見非常にアクセスが良い。そして、2018年時点で2020年の利用者目標1,300万人を超えるなど飛躍的な成長を遂げているが、空港の拡張性に限界があり、周辺の道路状況なども混雑がひどく、接続もそれほど良くない。
エアロトロポリスも目指すかどうかはともかく、今後更に経済成長していく過程で大規模な空港が必要になり、近郊への移転と交通インフラの整備は不可欠となるだろう。
参考文献:VN Express, “Da Nang should be airport city: expert”, 5 Aug 2019