ベトナムの中国への水産物輸出が回復する可能性

2019年のベトナムの水産物輸出はエビを中心に軟調な状態が続いていており、当サイトでも何度か取り上げた。

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しかし、ここに来て少し前向きな情報が入ってきた。以下は、ベトナム水産物輸出業者協会(VASEP)の情報を元にした報道である。

中国への海産物輸出が下半期に回復しうる(VN Express)

  • 中国の食品安全基準の強化により、中国への輸出は上半期は5.7億ドルに留まる
  • 高品質製品の需要増加が見込まれ、下半期は12億ドルに倍増する可能性
  • 中国に輸出する水産物企業は150社以上で、うち50社はエビ、45社はバサ
  • ベトナム全体の水産物輸出額は年間で2%増の90億ドルの予想で、目標の100億ドルには届かない見通し

補足

目標には遠く及ばないものの、悲観的な見通しだったにも関わらず前年比増のペースに予想が修正された形である。

ベトナムの水産物事業者が中国の新しい食品安全基準に対応できる体制が整いつつあるというのが増加予想の要因である。

記事中に出てくるバサは、以前にも取り上げたナマズの一種(タラの代用魚)である。

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参考文献:VN Express, “Seafood exports to China could recover in second half”, 12 Aug 2019

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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