成長するベトナムのベーカリー市場とパン食文化

ベトナム料理と言えば、フォーや生春巻きなど米粉を使った料理のイメージが強いと思うが、フランスの植民地だったという歴史的経緯からフランスパンが普及している。ハノイに行けば路上にバゲットの露天商が等間隔に並ぶ光景を見ることも珍しくない。

中でもバゲットを使ったバインミー(banh mi)という料理は非常に一般的であり、ベトナム中で見かけることができる。これはフランスパンに肉や野菜を挟んだベトナム風のサンドイッチで、豚肉とパクチーの組み合わせが多いが、鶏肉や卵、他の野菜などソースを含めてバリエーションは多い。

そもそもバインミーの原義は「パン」を意味し、日常的に食べられているが、単純にバインミーと言えば「フランスパン」を想起する人が多く、多様なパンを食べる習慣はそれほど根付いていない。

それでも少しずつ外国文化の流入などにより多様なパンが増えてきており、市場も成長している。

ベトナム最大のベーカリーチェーンであるABCベーカリーのジェネラルディレクターであるカオ・シウ・ルク氏によると、ベーカリー市場は年間20~30%の速度で成長しており、市場価値は7億ドルあるという。

ルク氏は、10月16日にベトナム初の国際ベーカリー機器展示会の開会式でメディアに対して語り、ベーカリー市場は東南アジア地域で最も急成長している分野の一つと指摘した。

同社では米国、スイス、日本、ドイツ、フランスから製造機械が輸入されており、展示会にも多くの国からの出展が集まった。

ベトナムの人口の多さと今後の市場の伸び、既にフランスパンが根付いていること、多くの国で見られる食文化の多様化を考えれば、広くベーカリー市場が成長していくということには筆者も同意である。

参考文献:Vietnam Net, “Vietnam’s bakery market shows fast growth”, 19 Oct 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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