パーム油指数とRSPO加盟企業の今後

欧州各国が環境保護を理由にパーム油の輸入規制を検討する中、パーム油の二大生産国であるマレーシアとインドネシアは、欧州各国と交渉を続けるとともに、国内企業には森林伐採の抑制や環境保護に対する認証の取得を推奨している。

関連記事:マレーシア、インドネシア、EUをめぐるパーム油の複雑な問題

環境保護に対する政策提言や調査研究を行う米国の組織Climate Advisersは、「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO)に加盟する企業のうち時価総額が大きいものからClimate Advisers Better Palm Oil Index<CABPLM>を作成した。

これは、RSPOに加盟する企業のうち、時価総額が2,500万ドル以上、収益の20%以上がパーム油、浮動株比率10%以上などの条件を満たす国際的なパーム油企業18社の株価の時価総額加重平均を利用した株価指数である。

以下は、2012年12月21日~2019年4月25日までのパーム油指数<CABPLM>(緑色)とRSPO非加盟のパーム油企業(橙色)で作成したベンチマークとパフォーマンスを比較したものである。

RSPO加盟企業と非加盟企業の株価のパフォーマンスの比較
出典:Climate Advisers

前者が後者を25%パフォーマンスを上回っている。RSPOに加盟する大企業という時点で、ESG投資で使われるベンチマークなどと同様「余裕のある企業」であるというバイアスはあるが、それにしても2014年までは殆どパフォーマンスが変わらないというのは特徴的である。

最近になるほどパフォーマンスが乖離しているというのは、ますますRSPOが重視されているという傾向がうかがえる。

今後、RSPOに加盟している企業のパフォーマンスが良いことを意味するとは思えないが、RSPOに加盟できないような企業はますます事業環境が苦しくなるかもしれない。

参考文献:Climate Advisers, “CLIMATE ADVISERS BETTER PALM OIL INDEX”

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