現状の金価格と米国株の関係をどう見るか

10月28日はダウ平均株価の大幅下落により、金なども大きく売られる自体になった。新型コロナウイルスの第二波や米国大統領選挙だとか、ここではそういう背景について見る記事ではない。冷静に金価格とダウ平均株価の関係を捉えるのが目的である。

昔から、金価格とダウ平均株価の関係を見る時は、シラーPER (CAPEレシオ)やダウ・ゴールドレシオを見るのが相場である。前者は特に、企業や経済の実態を判断する上で重要な指標で、ダウ・ゴールドレシオとの相関が高い。

以下が両指数をグラフ化したものである。長期的には相関しているが、最近はシラーPERは30前後と高い水準を示す一方で、ダウ・ゴールドレシオは15前後とそれほど高くない。ダウ平均株価も金価格も高い水準で推移しているからだ。では、今後はどうなると考えれば良いか。

ダウ・ゴールドレシオとシラーPER
出典:mactotrends, multpl

筆者は、この両者の指数の比(シラーPER/ダウ・ゴールドレシオ)を重視している。以下がそのグラフであり、同時にリセッションをオレンジ色で示している。全ての不況で当てはまるわけではないが、世界恐慌や70年代不況、ITバブル、世界金融危機など、大きな景気後退局面において、両指数の比が上昇している。

指数が上がるには、

  • 金価格の上昇(→分母の減少)
  • 資産バブル化(→シラーPERの増加)

が主たる要因だが、現状の比を見る限り、コロナ不況による比の上昇はまだ「序の口」に見える。では、どちらが実現するかと言えば判断は難しい(両方の可能性もある)が、投資としてリターンを得られやすいかと言われれば、金の方だろう。

シラーPERが上がると言っても、平均株価(この場合S&P 500)が上がるとは限らない。企業の利益が損なわれて株価が一定であってもシラーPERは上がるからだ。一方で金価格は、シラーPERや米国財政赤字などを判断基準に冷静に売り買いされるものなので、こちらが上がるというシナリオの方が分かりやすい。

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