移動通信システムはこれから世界的に5Gが導入されていく(or 導入されたばかりの)国が多いが、問題となるのは古い通信システムをいつ停波するかという点だ。日本ではとうの昔に2Gが停波され、今後3Gもキャリアによって異なるが2022~2026年に停波される予定だ。一方でベトナムでは社会状況から2Gもまだまだ主流であり、今後5Gが導入されることになれば、2G~5Gが共存する可能性がある。
ベトナム情報通信省によれば、ベトナムでは2020年1月時点で、3Gと4Gの加入者合わせて6,450万人、2Gの加入者6,080万人で始めて2Gの利用者を3G・4Gが上回った状況である。
ベトナム政府は2025年までに国民全員に4G・5Gを普及させるという目標を掲げている。これは流行りのデジタル・トランスフォーメーション(DX)の一環でもあるが、2G~5Gを同時運用するのは非常に大きなコストがかかるからである。
しかし、やはり所得の問題で、2G利用者は非常に多い。通信費を抑える上で安いプランを利用するためだ。最低限の電話とメール利用であれば2Gでも大きな不都合が無いのが現状であり、簡単に2Gを停波できる状況ではない。
また、4G利用が可能なSIMであっても3Gを使う人も非常に多いようだ。これは日本と同様に4Gの通信容量制限がある一方で、3Gは無制限利用が可能というプランを利用する人が多く、これも通信費用の節約のためである。
現時点でベトナム政府は2022年に2Gを停波することを目標としてるが、一方で停波のガイドラインとして2Gの加入率が5%未満と定めている。通信会社のプロモーションなどにより徐々に3G・4Gへの移行が進みつつあるが、未だ半数近くが2Gを利用しているという状況では簡単に停波とはいかないだろう。
参考文献[1]:アプリ開発ラボマガジン「2017年10月ベトナムの4G(LTE)契約数と実利用数の最新データ~4GのSIMがあっても利用してない理由とは?~」2017年10月11日