春先はまだ新型コロナウイルスが欧米では「対岸の火事」であったため、銀価格と同価格の動きに乖離が生じ、一時的に銀銅比価が大きく上昇するという状況になったというのは以前に見た通りである。
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上記記事は4月当初の話だったが、その後どうなっただろうか。2020年7月16日までのデータで同様に銀銅比価を求めたものが下のグラフである。すると、5月後半から6月頭にかけて銀銅比価が大きく下がり、6月中旬以降は綺麗に330近辺で推移している。
これは下図の通り、銀先物価格が一時的に銅先物価格のトレンドよりも上昇したからである。これは金に対して著しく下落していた銀価格が5月中旬から急速に回復していった事に起因する。銀は産業用需要だけでなく投資としての需要も大きいので、そこが同価格との乖離を生むポイントになる。
ここ最近は330近辺で安定しているので、どちらか一方に触れない限りは、銀銅比価を元にした投資は難しい。
よく言われているように、金価格が1,810ドル近辺でカップ・アンド・ハンドルが形成されるという点から、将来的には2,000ドルが視野に入ると言われる金だが、現時点では売り圧力も強く停滞している。
明確にハンドルが形成されるのか、あるいはこのまま突き抜けていくかは判断が難しいが、どちらかに抜けた時に銀価格も大きく動くことが予想され、この時に銀銅比価も330から乖離することになろう。