大和投資信託のレポートが簡潔ながら非常に興味深い内容である。最近のNT倍率(TOPIXに対する日経平均株価の比率)の上昇と10連休後のシナリオについてである。
NT倍率上昇の意味を考える(大和投資信託)
- NT倍率が1992年以来の水準13.7倍まで上昇(日経平均株価のアウトパフォーム)
- 日経平均株価の上昇は米中の景気後退懸念の緩和に伴う世界的な株高の影響
- 対してTOPIXの上値が重いのは個別銘柄の物色にまで拡がっていないから
- 日本株全体の先高期待はあるが個別株を保有したまま10連休を迎えるのはハイリスクという心理がある可能性
- 10連休後の決算発表ラッシュが悪くなければ個別株物色が拡がる可能性
補足
買いが少なく一部の銘柄で米国株の高値が支えられており、多くの投資家は傍観している事を見た。それと似た状況は日本にもあり、更に10連休を挟むので日経平均株価とTOPIXのパフォーマンスに大きな乖離が出てきている、と考えれば納得がいく。
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どこかでNT倍率の上昇を戻すような動きが発生する可能性が高く、10連休後に個別株の物色が進めばTOPIXのパフォーマンスが高くなるという見方である。それに決算が悪くなければ、個別株の物色を進めるだろうという見方である。(無論、日経平均株価に揺り戻しが来る可能性も検討すべきではあるが。)
参考文献
大和投資信託「NT倍率上昇の意味を考える」『Market Eyes』No. 269, 2019年4月24日(PDF注意)
https://www.daiwa-am.co.jp/specialreport/market_eyes/no269.pdf