コーヒー価格の値下がりと景気後退予測に伴う世界的な需要後退が最大の原因だが、ベトナム固有の問題としては品質問題も大きな影響を与えてそうだ。
ベトナムのコーヒー輸出はロブスタ種の価格低下に伴って急落(Viet Nam News biz hub)
- 2019年上半期におけるベトナムのコーヒー輸出は、輸出量が94.3万トン(前年同期比9.2%減)、輸出額が16億ドル(前年同期比19.9%減)と急落
- 世界的な需要減でロブスタ種の価格低下が影響しているが、ベトナムの輸出減少率は最も高い
- ベトナムのコーヒー輸出の80%は生豆だが、必ずしも成熟条件を満たしておらず、不純物が混ざるケースもある
- コーヒー輸出の80%は事前に定めた売買契約に伴って事前に契約金額の一部を受け取り、出荷時に差額を精算する
- 価格は国際取引場の固定レートが元になるが、ベトナムのコーヒーは製品品質の不安定さから低い価格での取引が常態化している
- 企業は国際市場への依存を減らすために現在のビジネスモデルからの脱却を提案
補足
インドの供給問題を受けて一時価格上昇したコーヒーだが、全体的には価格低下の影響を受けて、輸出市場は軟調である。
しかし、同じロブスタ種でもベトナムからの輸出は特に低いレートで取引されているという実態があるというのがポイントだ。
ベトナムでは「ロブスタ種のブランド化」や上記事のような「現在の国際市場に依存したビジネスモデルからの脱却」が度々提案されているが、そもそも農家レベルでの仕事の雑さが大きな問題であることが容易に想像できる。
未熟な豆や不純物を除外せずにそのまま出荷するのが常態化しているのであれば、当然その分を割り引いたレートで取引されるのは当然であり、出荷額が安くなって然るべきである。
ブランド化以前にこうしたレベルでの取り組みが必要のように思える。
参考文献
Viet Nam News biz hub, “VN coffee exports plummet as robusta prices fall”, 15 Jul 2019