世界的に低下が続いていたコーヒー価格だが、ここにきて急反発の傾向を見せている。
豆不足:コーヒーが高くなるかもしれない(The Economic Times)
- インドのコーヒー生産量は前年同期比で40%以上減少する見込み
- 供給不足によりインドでの小売価格が上昇する可能性が高い
- インドのコーヒー価格は国際価格より25%高く、輸入を増やす可能性が高い
- 当初はコーヒー生産者は豊作を予想して買い手と低単価で契約していた
- 大雨で生産不足の見込みが立つと、生産者は価格上昇を見込んで一気に供給を抑える
- アラビカ種よりロブスタ種での供給不足が目立つ
- コーヒー価格の上昇によってチコリの売上が伸びるかもしれない
補足
これまでのコーヒー価格の下落傾向は貿易戦争などに伴う貿易量低下の見込みだけでなく、供給過剰の見込みも影響していたが、気候などの影響によって生産量の低下が数値として出てくると、生産量が一気に供給を抑えるようになったのが急激な価格上昇に寄与している。
これはインドだけの影響ではなく、インドのコーヒー供給量の不足により輸入量が増え、国際価格にも影響を与えている。
実際、国際コーヒー機関(International Coffee Organization; ICO)が6月に出したCoffee Market Reportの最新版によると、ここ最近で急激にどの品種もコーヒー価格が急上昇していることが分かる。
一方でコーヒー価格が上昇すると、記事の通りチコリの需要が増えるという予測もある。チコリはハーブであるがコーヒーとしての人気も高まっており、コーヒーの香り付けにも使われる。
コーヒーの代替製品であり、近年はコーヒー価格の低下によってチコリ市場が軟調であったが、今後は回復する可能性もあるのではないかというのが記事での見方だ。
参考文献
The Economic Times, “Bean crunch: Your coffee may turn costly”, 14 Jun 2019
International Coffee Organization, “Monthly Coffee Market report (2018-19)”