フランチャイズ料とロイヤリティ料が無料のベトナムのコーヒーチェーン「E-Coffee(イーコーヒー)」

一体どうやって儲けるのかと考えれば非常に面白い。

ベトナムで高級カフェ「チュン・グエン・レジェンド」やインスタントコーヒー「G7」シリーズなどを手掛ける大手コーヒー会社チュン・グエン・コーヒー(Trung Nguyên)が8月に始めた新しいカフェ・フランチャイズ「E-Coffee(イーコーヒー)」が急速に店舗数を増やしている。

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チュン・グエンがE-Coffeeチェーンを開始(VN Express)

  • 8月は平均して毎日10店舗がフランチャイズに加盟
  • フランチャイズ料、ロイヤルティ料、管理料、利益分配料などが無料でTrung Nguyen E-Coffeeを開くことができる
  • 4平米以上の店舗面積が推奨され、状況に応じて立地相談や店舗デザインなどもサポートされる
  • 現在の状況と店舗規模に応じて初期コストは6,500万~1億7,500万ドン(約30万~81万円)
  • 採用、スタッフのトレーニングなどもサポート
  • コンビニ1,000店舗と提携してベトナム全土の主要観光ルートに展開を進めている
  • 中国、韓国、米国、ロシア、欧州の企業の注目も集めている
  • チュン・グエンの23年に渡るノウハウと参入コストの安さが市場で受け入れられている要因
  • 2020年に3,000店舗の開店を目標

チュン・グエンのフランチャイズ「再参戦」

  • E-Coffeeは中低所得者層をターゲット
  • パンやコーヒーなどに加え、チュン・グエンの焙煎コーヒーやG7インスタントコーヒー、カプセルコーヒーなどの製品も販売できる
  • 各E-Coffeeストアはチュン・グエンの「流通業者」のようなもの
  • チュン・グエンは嘗て旧来型のフランチャイズ展開で成長したが、チェーン店ビジネスの競争激化(ハイランズコーヒー、スターバックス、ザ・コーヒーハウス)に敗れる(その後高級志向にシフト)

補足

チュン・グエンは一度フランチャイズで失敗しており、現在は高級志向のチュン・グエン・レジェンドは生き残っているが、基本的にはコーヒー豆やインスタントコーヒーの生産・流通を手掛けるメーカーである。

それが今回フランチャイズ方式のコーヒーチェーンに再参入という形になったのがE-Coffeeである。(Energy Coffeeの略である。)

Trung Nguyen E-Coffee公式サイト(ベトナム語)

ベトナムでコーヒーチェーンといえばジョリビー傘下のハイランズコーヒー(Highlands Coffee)で、2019年2月時点でベトナムに211店舗、2018年の売上は前年比31%増の1.6兆ドン(約80億円)である。

ハイランズコーヒーは上場も検討しており勢いもあるが、フランチャイズの加盟には150平米以上の店舗面積、フランチャイズ料は7%、5年間の営業・管理コストは売上の5%かかる。よくあるフランチャイズシステムであるが、開業には一定の資金が必要である。

そこに戦いを挑む新しいコーヒーチェーンであるが、それ以上に新しいフランチャイズシステムの開発とも言える。

フランチャイズ加盟料もロイヤルティ料も取らないで一体何で儲けるという話だが、結局自社の製品が多く存在するので、それを店舗に置いてもらうことで「販売店」「流通業者」としての役割を果たしてもらうというのがビジネスモデルである。これは新しいビジネスとして面白いだけでなく、将来性も高いように思える。

参考文献

[1]VN Express, “Trung Nguyên phát triển chuỗi cửa hàng E-Coffee”, 12 Sep 2019

[2]Nhịp Cầu Đầu Tư, “Trung Nguyên “tái chiến” nhượng quyền”, 4 Sep 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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