少しずつ計画が進むTelegram(テレグラム)の暗号通貨GRAM

Telegram(テレグラム)といえば、匿名性を売りにし、非営利組織が運営する中東などで人気のメッセージングアプリだ。独自の暗号システムを利用しているので、ロシアからは目の敵にされており、技術情報をやり取りしたいハッカーから、香港の抗議デモ参加者、ISISのテロリストまで多くの人に愛用されている。

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そんなテレグラムが仮想通貨(暗号通貨)の開発に力を入れているのは、草コイン投資家ならよく知られていることだ。

メッセージングアプリ開発企業が開発する暗号通貨といえば、最近はFacebookのリブラ(Libra)が話題だが、テレグラムが開発するGRAM(グラム)は2017年から続く計画だ。

数ある草コインの中でも数少ない「真面目に開発を進めている暗号通貨」と言える。後発の暗号通貨であるが故に、ビットコインなどに比べれば遥かに通貨としての性能(決済速度や安全性など)が高く、それを利用した新しい決済通貨としての地位の確立を目指している。

参考:Telegramホワイトペーパー(PDF注意)

誰もが知る標準的な通貨単位になることを目指し、通貨の名前はGRAM(グラム)にし、暗号通貨システムの名前はTelegram Open Network、略してTON(トン)というこだわりである。

当初はICO(イニシャル・コイン・オファリング)での資金調達を目指しており、筆者も購入して最初に売り抜ける予定であったが、結果的にはICOが中止され、200人の大口個人投資家から17億ドルを調達している。

AFPによると、GRAMへの投資家は守秘義務条項に拘束されているのであまり情報が出てこないが、少なくともフォーブスリストに載るロシアの銀行家と実業家が名を連ねているようである。

こうした理由でしばらく話を聞かなかったが、水面下で着々と開発は進んでいたようで、10月31日までに投資家にGRAMを分配するか、もしくは資金を変換することになっているという。

もっとも、暗号通貨の規制は世界中で進んでおり、成功するか否かは各国の規制にかかっており、リブラと競合することも考えれば、道のりは非常に厳しいが、個人的には興味深い取組みとして今後も注目していく。

参考文献:AFP, “Telegram secretly plans ‘Gram’ cryptocurrency”, 4 Sep 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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