注:日本ではあくまでも米の国際価格の話であり、余るほどコメが生産されている日本においては無関係の話である。日本でも一部コメの買い占めが起こっているようだが、全くもって無意味である。
タイ米輸出者協会(Thai Rice Exporters Association)の名誉会長Chookiat Ophaswongse氏は、米価格は年半ばまで徐々に上昇し、新型コロナウイルスの流行が長引くほどピークが後ろに来るという見方を示している。
Bangkok Post, “Rice prices to peak mid-year”, 3 Mar 2020
同協会資料によると、タイの5%破米の輸出価格は、年初が400ドル/トンだったのに対し、新型コロナウイルスによるコモディティ市場の影響で2月前半こそ下落したが、2月26日時点で455ドルと上昇傾向にある。
これは新型コロナウイルスによる物流への影響から各国が米の備蓄を増やしているためであるが、中国も食糧安全保障を理由に輸出を停止したからである。当初中国は350~400万トンの輸出を予定していたが、300万トンで停止している。
新型コロナウイルスの影響でややバーツ安が進んでいるので、中国の輸出停止に伴いインドネシアからの輸入が増えると見られている。
昨年11月頃までは米の国際市場は低迷しており、タイでも為替レートの問題で10月から米価格保証プログラムが開始している。
更に2日、国家米政策委員会は、自然災害により損害を受けた米に対する補助金プログラムも承認した。これは4,470万ライ(75,200平方キロメートル)をカバーする29億1,000万バーツの米保険制度である。
干ばつによる水不足は直接的な稲作への影響だけでなく、海水の河川への流入による水質の塩化などの問題も発生しており、農作物に広く影響が出ている。
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新型コロナウイルスで小麦など多くの農作物にネガティブな影響が出ているが、米に関しては異なった展開になる可能性が高いと言えるだろう。