インドはマレーシアやインドネシアから流入する精製パーム油により、国内の精製業者に悪影響を与えているとして協議を進め、輸入関税については一応の決着がついている。
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それでも結果的に、2020年からはパーム原油の輸入関税は40%から37.5%に引き下げられる一方で、精製パーム油の輸入関税は50%から45%に引き下げられるので、輸入関税差は10%から7.5%まで下がることになり、インドにとって本質的な問題の解消になっていない。
本質的な問題とは、精製パーム油の輸入関税が低いことにより、パーム原油を輸入して精製するよりも、最初から精製パーム油を輸入した方がビジネスとして旨味があるという構造である。
それに関してインド政府は、年間1,500万トンにも達する食用油、輸入額にして7,000億ルピー(98億ドル)も輸入しており、そのうち20%が精製油としての輸入であることに目をつけている。
この部分の輸入に「何らかの制限」を加えることでパーム油に限らず、ヒマワリ油、大豆油、菜種油など食用油の原油として輸入され、国内の精製業者の利益になると見込んでいる。
今のところ貿易協定を理由に、原油に関しては自由貿易のカテゴリーとして維持しつつ、精製食用油に対して「あらゆる種類の輸入制限」を検討している段階である。例えば、食品省は精製パーム油に10%または12%のGSTを付加する案などを提案している。