中国政府が豚肉価格上昇対策に本腰を入れる

中国で猛威を奮うアフリカ豚コレラによる供給減少で豚肉価格の上昇が続いており、その傾向が長期化する可能性については以前指摘した。

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中国政府は、4月から延べ20億元(295億円)以上の消費者補助金を支出しているが、全ての地域で利用可能ではなかった。そして卸売価格は23日の時点で前月比26%増の30.79元/kgと最高値を記録したので、国務院はさらなる梃入れを余儀無くされた。

これにより国務院は、以下のことを実行または実行を検討している。

  • 豚肉の補助金と消費者物価の連動メカニズムの導入を決定
  • 供給増のための措置(農場規模上限の撤廃、備蓄の増加、補助金移転の迅速化など)の決定

特に前者の対策は、地方当局が物価上昇に応じて補助金を拠出できる点で大きい。7月の消費者物価指数は2.8%と17ヶ月ぶりの高値に達したが、豚肉価格の寄与分が0.59%であり、寄与率は20%以上にもなるからだ。

中国は世界最大の豚肉の生産者であり消費者である。2017年には世界全体の約半分の5,400万トンを消費し、輸入量は120万トンだった。

2019年の生産量は前年同期比5.5%減の2,470万トンであり、輸入量は26.3%増の81.8万トンだった。

相変わらず米中貿易戦争で両国が関税でやりあっているが、豚肉の供給源は米国に与える影響も大きい。米国は養豚業の飼料である大豆の主要サプライヤーであり、2017年には全体の1/3である3,100万トンを中国に輸出していた。しかし2018年は1,660万トンと半減している。

参考文献:Bangkok Post, “China acts to curb pork price rises”, 26 Aug 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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