新型コロナウイルスの第一波収束に伴う経済活動再開と大規模な緩和によりお気楽相場が続く株式市場だが、一方で堅調に推移してきた金価格はここのところ軟調である。
しかし、金投資は元々短期で行うようなものではなく、長期投資に向くものである。以下の長期月足チャートを見て分かるように、数年来に続く上昇トレンドの最中である。
これを見て分かるのは、2012年の高値を起点としてお椀のような形を描いていることである。これはアメリカ人が好きなカップ&ハンドル(Cup and Handle)の途中過程という見方をする人が多く、2012年10月の高値1795ドルを意識するあまり、現在の価格でくすぶっているというところはあるだろう。金価格の停滞は株式市場が過熱しているからだけではない。
カップが形成、カップの起点の価格まで上昇してくると、今度はカップの持ち手(ハンドル)の形成の為に価格が大幅に下落し、そこから大幅に上昇するというのがこのパターンの特徴である。
仮にハンドルが形成された場合、どこまで下落するかの予想は難しいが、筆者なら2012年の安値1526ドル辺りは意識したくなる。そして、これは月足チャートであり、カップ&ハンドルが形成されたとして、それはゆっくりとした動きになる。あまりせっかちにリターンを求めるべきではない。
一方で、一度ハンドルを形成してカップを超えるようになれば、2011年の最高値1911ドルを超えて2000ドルというのも視野に入ってくるかもしれない。しかし、それはもっと先の話である。