深刻な干ばつによってインドネシアでの森林火災が増加し、その結果マレーシアではヘイズ(煙害)の問題が長く続いている。
マレーシアの地元紙もツイッターアカウントでペトロナスツインタワー周辺の状況を伝えているが、ヘイズで非常に視界が悪い状態である。
大気質指数(下図)を見ても、今までスモッグで悩まされていたタイは一部を除いて解消しているが、マレーシアやシンガポールではオレンジ色や赤色の部分が多くなっている。(大気質指数の見方は関連記事参照)
ベルナマ通信社が報じるところによれば、Inter-Pacific Securities Sdn Bhdの調査部長Pong Teng Siew氏によると、ヘイズが国中を覆ってはいるものの、未だ経済には目立った影響を与えていない。同氏は、
- モンスーンのサイクルによっては2週間ほどヘイズが続く可能性があるが、10月には吹き方が変わって問題が大きく軽減する
- 中期的に状況が続くようであれば、観光セクターが最も大きな影響を受ける
- 現時点では直接的な影響は少なく、政府が介入する必要性は無い
という見方を示している。
かなり楽観的な見方ではある。タイのスモッグの例でも、大方の予想では長引かない見通しであったが、実際には予想より問題が長く続いた。
ヘイズも同様に外れるとは言わないが、長引くリスクは考えておいた方が良いだろう。
参考文献:Bernama, “Haze has not yet caused a major impact on economy – Analyst”, 11 Sep 2019