パーム油の次は中国のドリアンブームがマレーシアの次なる熱帯雨林破壊リスク

熱帯雨林を損なうとしてEUがマレーシアやインドネシアのパーム油の輸入に規制をかける中、マレーシアは環境を考慮した持続可能なパーム油開発を推進したり、WTOにEUを提訴したり、インド市場にパーム油の行き先を求めたりなど、様々な取り組みをしている。

そんな中、マレーシアの熱帯雨林保護研究センター(TRCRC)のエグゼクティブディレクターであるザーマン・ズルキフリ氏は、トムソン・ロイター財団のインタビューに対し、ドリアンが熱帯雨林にとって「次の大きな脅威になりつつある」と答えている。

念の為だが、最近ドリアンと検索すればハリケーンの方がよくが出てくるが、臭いがきつく果物の王様と言われる方のドリアンである。

ズルキフリ氏によると、かつて家族経営の農場などで栽培されていたドリアンが、今や大規模な資金を使った大農家によって栽培されているようになっているという。

その背景に中国でドリアンが大ヒットしていることがあり、ピザやバター、ドレッシングなどドリアン風味の食品が多数販売されており、KFC Chinaも以前からドリアン入りのソフトクリームを販売しており、つい先日もドリアン入りのチキンナゲットを発売開始している。

マレーシアはタイに次ぐドリアンの輸出国で、2030年までに政府は輸出量が50%増加すると見込んでいる。

こうした状況からマレーシアの熱帯雨林が破壊され、ドリアン農園に変わっており、パーム油が犯した過ちを繰り返そうとしている、とズルキフリ氏は警鐘を鳴らしている。

ズルキフリ氏は、熱帯雨林を伐採してドリアンの木を植えるのではなく、古いアブラヤシの木をドリアンに転作することで、新たな熱帯雨林の伐採を抑制し、また両者を混ぜて栽培することで価格や供給を安定化させるべきとしている。

これに関してJBpressでは、昨年12月に流行り廃りに乗じてドリアン栽培に転換しても、熱帯雨林にダメージを与えるだけでなく、ブームの行方によっては初期投資に見合った収益が得られない可能性があると指摘していた。

ズルキフリ氏は、パーム油の例に学んでより良い森林管理を促進し、炭素クレジット市場の開始なども政府に提言している。

参考文献[1]:Resters, “China’s love of stinky durian ‘next big threat’ to Malaysian rainforest”, 12 Sep 2019

参考文献[2]:JBpress「ドリアン狂の中国に翻弄される東南アジア」2018年12月17日

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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