ヘリウム不足の緩和は来年以降の見通し

最近は当サイトのPVの2割が5月に書いたヘリウム不足に関する記事である。

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影響を与える分野は風船ではなく医療や半導体など幅広く、それだけヘリウム不足が大きく注目されているからであろう。

コーンブルース・ヘリウム・コンサルティング創設者フィル・コーンブルース氏は、BBCの取材に対して現在のヘリウム不足の背景と今後の見通しについて語っている。

コーンブルース氏によると、ヘリウム価格が安定しない背景に「中央卸売価格が存在しない」ということがあると指摘する。サプライチェーンのどの段階で購入するか、液体ヘリウムで購入するのか気体ヘリウムで購入するのかによって価格は大きく異なる。そして、ヘリウムの供給業者が少ないことにより、単一の競売によって相場に大きな影響を与えてしまう。

最近の価格上昇のきっかけが2018年8月に米国政府が行ったヘリウム・オークションである。米国のThe National Helium Reserveは飛行船へのヘリウム供給のための戦略的備蓄として設立されたものだが、2013年以降は民間向けに競売で一部を放出している。

しかし、昨年8月の競売を最後に2021年まで行われないということで、備蓄を増やすために前年比135%増もの平均価格で落札されたのが最近の価格上昇の端緒である。

風船なども国際的に値上がりしており、今後しばらくもヘリウム価格は高値が続くと予想されるが、コーンブルース氏は来年以降にヘリウム供給不足が緩和されるという見方を示している。来年2020年にはアルジェリアとカタールから、2021年にはロシアからまとまった量のヘリウムが供給されると予想している。

参考文献:BBC, “Helium shortage: ‘Prices just keep going up and up”, 17 Sep 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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