米国における健康食品としての大豆

東アジア原産の大豆は日本人にとっては古くから馴染み深く、「畑の肉」として疑いのない健康的な食材として地位を定着しているが、米国においては必ずしもそうではない。

1999年よりアメリカ食品医薬品局(FDA)は、大豆製品が心臓に良い効果をもたらすと主張することを許可しているが、2017年にはその許可を取り消した。

今でこそ豆腐は米国においても健康食品として一定の地位を築いているが、そのきっかけとなったのは、ビル・クリントン大統領時代にヒラリー・クリントンが健康食品として豆腐に言及したことがブームのきっかけと言われる。

しかし、麻婆豆腐といった食べ方は別として、冷奴など豆腐をそのまま食べるのは米国人にはあまり口に合わなかったようである。

豆腐シェイクにしたり、最近はハウス食品米国法人が手掛ける「豆腐しらたき」など、他の方法(パスタの代用品など麺類として使うようだ)での食べ方のほうが定着しているようだ。(冒頭画像はハウス食品米国ウェブサイトより)

話を難しくしているのは以前にも指摘したように「大豆が健康に悪い」という指摘が根強いこともある。

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前回の記事ではビヨンドミートとインポッシブルフーズのターゲティングの違いとして「ヴィーガン」と「一般的な健康志向者」に分けて考えた。

しかし、「大豆不健康説」は食品業界や畜産業界などからのロビー活動の影響もあるだろう。2017年におけるFDAの撤回は明らかにその影響を受けているだろう。これは、酪農業界からのロビー活動により、過剰にマーガリンが悪者扱いにされているのと同様の構図である。

ロイター通信は、こうしたロビー活動などの影響にも触れながら、最新の研究では数十の研究を整理することで、大豆にはコレステロールを押し下げる効果があるという内容を紹介している。

植物性由来肉ブームと相まってますますややこしくなってきそうな大豆であるが、先物市場など多くの場面に影響を与えるので、無視できない内容である。

参考文献:Reuters, “Study confirms heart benefit of soy as FDA reviews this claim”, 17 Jul 2019

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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