IoT時代の「大人のおもちゃ」

CES 2020については、日本ではトヨタの実証都市などが大きく報道されたが、海外メディアでかなり注目されているのは「大人のおもちゃ」である。特に女性向けのものが多く、人間の舌や指の動きを再現するような小型デバイスなどが出展された。

CESと性玩具における扱いは紆余曲折がある。2019年にはLora DiCarloはOse Personal Massagerと呼ばれる女性向けのデバイスがCESイノベーション賞を受賞した。しかし、その後「非道徳的、わいせつ、下品、卑属的」な製品だとして授賞が取り消された。しかし、ハイテク業界だけでなく、最近の女性向けのフェムテックの勃興などを背景に、こうした製品に対する理解も広まり、抗議活動などを経て授賞が復活している。

この分野についての古参はOhMiBodで、10年前からCESに出展している。中でもiPhoneアプリと連動し、遠隔から操作できるディルド型ヴァイブレータなど離れたパートナー同士で利用できるようなデバイスは一定の成功を収めている。

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一方で、こうしたIoT時代の「大人のおもちゃ」は新しい法的問題を引き起こしうるという指摘もある。法学者ジョン・バンザフ教授は、プライバシー問題だけでなく、性的暴行など様々な法律問題が起こりうると指摘している。

例えば男女双方が装着して、両方の動きがインターネットを通して相手に伝わるテレディルドと呼ばれるデバイスの開発が進んでいるが、これには動きの効果を確かめるための小型のカメラがついている場合があり、クラッキングされればセンシティブな場所についての映像情報が外部に漏れてしまう懸念がある。

また、もしクラッキングによってなりすましによるセックスが行われれば、これはサイバー空間上のレイプということも成立するかもしれない。

技術の発達により、人間が関わらない形でのVRやセックスロボットを利用した疑似性行為といった技術も発達していっているが、こうしたパートナー同士の遠隔性交渉、またはLGBTなどの利用を想定したこうしたIoTデバイスも今後も成長していくと思われる。しかし、一方で新しい製品には新しい法的問題も生じ得るという可能性も認識しておくことが重要だろう。

参考文献[1]:BRIDGE「CES 2020: Lora DiCarlo、小型ロボット技術を採用したセックストイの新モデル2種を公開」2020年1月8日

参考文献[2]:BBC NEWS, “CES 2020: Sex tech makes a splash at tech show”, 9 Jan 2020

参考文献[3]:VALUE WALK, “Sex Toys At CES2020 Can Raise Legal Issues”, 8 Jan 2020

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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