KFC(ケンタッキーフライドチキン)の米国法人の代表Kevin Hochman氏は、流行の植物性由来の人工肉について、現在は「調査段階」としつつも、試験を行う計画は無いと述べた。
役員曰く、KFCは植物由来のチキンを検討しているが現時点ではテストの計画は無い(CNBC)
- Business InsiderによるとKFCは植物由来の肉のサプライヤーと交渉している
- バーガーキング等は既に植物由来肉を導入して恩恵を受けているが、マクドナルドとKFCは「調査段階」であるとし、長期的な視点で考えている
- 2014年に始めた$5 Fill Upによる顧客価値の向上を目指しているが、 植物由来肉は高コストでコア顧客になじまない可能性がある
- 鶏肉を食べない人はいるが、鶏肉の代替製品があればKFCの顧客になるかは検討すべき難問
補足
$5 Fill UpはKFCが2014年から始めているセットメニューのシリーズであり、例えば冒頭画像のようなチキンにビスケット、マッシュポテト、ドリンクのセットを5ドルで提供するものである。(画像引用元:US KFC)
暫く不調だった米国のKFCだが、顧客価値向上の為の改革として始められたこの取組みは成功し、既存店の売上の伸びに繋がり、2019年は2014年以降で初めて閉店数よりも新規出店数が多くなる見込みである。
一方で植物由来肉は高いので、こうした$5 Fil Upでの提供では難しく、コア顧客とは別のターゲットへの訴求となる。また、ビヨンド・ミートなども当初は鶏肉の代替の開発から始まったが、現在は牛肉の代替品の開発に取り組み、植物由来のチキンの品質的な問題もある。
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無論、現在は植物由来肉のブームが起こっており、新たな顧客をもたらす可能性はあるが、メニューを導入したからと言ってビーガンがKFCで食べてくれるようになるかは未知数である。
その意味でKFCはマクドナルドと同様「長期的な視点」で検討しており、 すぐに試験導入という段階には至っていないようである。