会社員のコワーキングスペースの使い方:WeWorkから地元志向へ

コワーキングスペースと言えば、フリーランスなどが利用するイメージがあると思うが、フリーランスの84%は自宅で働くなど、コワーキングスペースの利用は寧ろ少数派である。一方で、自由な働き方を進める企業であれば、その従業員が利用するケースもある。

Clutchは、企業に属する米国の会社員501人がどのようにコワーキングスペースを利用しているかを調査した。

世間ではWeWork(ウィワーク)のゴタゴタにより終わったイメージがあるかもしれない。しかし、(WeWorkは終わったかもしれないが)市場全体は伸びており、そしてそのプレイヤーは多様である様子が見えてくる。

なお、以下に出てくる図表は、ClutchのCowarking Space Trends for 2020のものを再作成している。

WeWorkは最も人気だが、地元のコワーキングスペースも人気

普段どのようなコワーキングスペースを利用するかについての回答結果が以下のグラフである。複数回答で上位6箇所が示されている。

これによるとWeWorkが39%と最も人気であるが、圧倒的というわけではなく、TechSpaceやSpacesなど競合企業の名前も多く並ぶ。IndustriousはWeWorkのライバルとも評されることがあるし、Impact Hubも世界中に進出しており日本にも支店がある。

そんな中、レポートで注目されているのが「地元のコワーキングスペース」(36%)である。言う慣れば「その他」であるが、その割合はWeWorkに迫る。

Clutchによれば、これはコワーキングスペースでの労働を認める企業の戦略と関係している。地域との結びつきなどを重要視する企業が増えており、WeWorkなど大手ではなくローカルのコワーキングスペースを利用する企業が増えているのが背景だ。

コワーキングスペースは多くの場合、単なる仕事場としての利用(会議室やオフィス)だけでなく、様々な用途に対応していることが多い。例えばラウンジ(67%)、コラボレーションルーム(60%)、キッチン(58%)、レクリエーションエリア(39%)など気分転換に利用できるだけでなく、企業間や地域住民とのコミュニティが出来ていることを魅力に思う企業が多い。

コワーキングスペース利用企業なら大企業ほど利用率が高い

前述の通り、今回の調査はコワーキングスペースを利用する企業の従業員を対象とした調査である。なので、以下の「 どういう形態で働くことが多いか(複数回答)」と聞かれれば、基本的には自社で働くケース(65%)が多く、コワーキングスペースしか利用しないという人は22%にとどまる。

しかし、以下の「1週間のうち5日以上コワーキングスペースを利用するか」を見れば、企業規模が大きいほどコワーキングスペースの利用率が高いことが分かる。

これも従業員の志向というよりかは、企業の方針が影響している。企業規模が大きいほどセキュリティ的な理由で自宅や他の場所でのリモートワークが許可されていない。そこで企業が指定してレンタルしたコワーキングスペースでのみ社外での労働を認めるというケースが多いのが理由である。

ローカル化が更に進む可能性

コワーキングスペース市場が伸びている中で、WeWorkの状況を見れば、他のコワーキングスペースに移動する企業、最初からWeWorkを選択肢を除外する企業は増えるだろう。それを前提に、

  • 地域密着を意識する企業の増加
  • 企業のセキュリティと従業員の利便性

を考えれば、企業がある地域の地元のコワーキングスペースの利用は今後も増えていく可能性が高い。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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