なぜダナンは「夜」の観光に注目しているのか

ベトナムで今最も経済成長が期待されているのが中部ダナンであり、産業の活性化は勿論、近隣のホイアンやフエなどと合わせて観光地としても人気が高まっている。それはGoogleが2020年に最も期待できる観光地としてダナンを挙げるほどだ。それだけにCOVID-19(新型コロナウイルス)の流行は幸先悪いスタートである。

ダナンはそもそも2030年までの経済開発計画で、市内のビーチの管理や観光地の広域化などが策定されているが、加えて2020年の新型コロナウイルス流行収束後の観光回復計画を策定した。

そのためにダナン市は、近いグーハウンソン地区(東岸のリゾートホテルが並ぶ)の夜間ショッピング・エンターテイメントストリートを試験実施し、更に民間投資家は3月29日にバクダン地区(市中心部のバクダン川沿い)にナイトマーケットをオープンする予定だ。

Vietnam+, “Da Nang city designs plans to recover tourism after COVID-19 outbreak”, 29 Feb 2020

「夜の観光」に注目する理由はリピーター獲得が目的である。ホイアンのようなバックパッカーが多くバーが立ち並ぶ地域は既に夜間も観光客で溢れているが、それ以外の地域はタイ・バンコクなどに比べればナイトマーケットなどの規模や集客力は弱い。ベトナムは観光客の数こそ多いが、リピーターが少ないことが問題視されている。

太平洋アジア旅行協会によると、タイへの旅行客のリピーター率(1度タイに旅行した人が2回目を訪れる割合)は80%に達するのに対し、ベトナムは10~40%と低い。これは観光地だけでなくショッピングやエンターテイメントの差であると見られており、北京などでは夜間営業に対して補助金が出されるなどの取り組みがされてきた。

VN Express, “Vietnam wants to offer nightlife to attract tourists”, 23 Jul 2019

ベトナムも行政として夜間観光を押し、リピーター獲得を目指している。今回策定されたプランこそ新型コロナウイルスからの回復案であるが、その具体策はベトナムの観光戦略に沿ったものであると言える。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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