次に原油価格が荒れるのは4月5日

原油市場に関してトランプ大統領とプーチン大統領が電話会談を行い、協議を継続する事で合意したことで一時原油価格は反発したが、予定通りOPEC+の減産協力の期限を迎えたこともあり、WTI原油価格は再び20ドル近くまで下落した。

ロシアとの協議は、これまでのサウジアラビアとの交渉あるいは圧力路線を諦めたというメッセージとしても捉えられており、この種のトランプ大統領のアクションでの反発も限定的となってきた。

エネルギーアナリストの推定では、4月の石油需要は前年比で日量1,500万~2,200万バレル減少すると予想されている。一部のアナリストは米国でのガソリン消費が前年比50%減少し、航空機用の燃料需要が史上最低になると予想している。1バレル10ドル近くまで下落するという予測も増えてきた。これは産油国の増産や需要の減少だけでなく、原油貯蔵庫が数ヶ月で満杯になるという見通しが背景にある。

Bloomberg, “Oil’s Apocalyptic April Is Set to Reverberate for Years to Come”, 1 Apr 2020

サウジアラビアは2月の日量970万バレルから、4月に日量1,230万バレルに供給を増やし、輸出量は日量1,000万バレル以上になると見られている。超過供給は世界で2,000万バレルになると予想されており、これは需要の約2割に達する。

ブルームバーグによれば、次に市場が荒れるのは4月5日前後である。これはサウジアラムコが5月の公式販売価格(OSP)を発表すると予想される比で、更に値引きを行うことが明らかになれば、原油価格戦争はまた一歩新たなラウンドに達すると見られる。

Bloomberg, “Saudis Start to Unleash Oil Wave Despite U.S. Pressure”, 31 Mar 2020

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