ヴィーガンETFとかいう名ばかりヴィーガン

9月10日にニューヨーク証券取引所(NYSE)にヴィーガンETFが上場した。正式名はUS Vegan CLimate ETF<NYSE: VEGN>であるが、現時点では名ばかりヴィーガンと言わざるを得ない。

公式サイトのURLからしてvegan etfを名乗ってはいるが、ETFのコンセプトとしてはヴィーガンというよりかは広くESG銘柄に投資するというものである。ETFを発行するのはBeyond InvestingとBeyond Meatのパチもんみたいな名前の会社で、同社が作ったU.S. Vegan Climate Indexに連動するように運用される。

公式サイト:Beyond Investing, “Vegan ETF”

主に動物の危害、化石燃料、環境被害、人権などESGを考慮して米国の大企業が選別されるとなっている。

しかし、9月20日時点での保有銘柄を見ると、ポートフォリオの上位10銘柄は、

  • Microsoft
  • Apple
  • Facebook
  • AT&T
  • VISA
  • Mastercard
  • Intel
  • Comcast
  • Verizon Communications
  • Bank of America

と本当に大企業を並べただけのように見える。

ETF Trendsが指摘するように、確かにマクドナルドやジョンソン&ジョンソン、P&Gなど分かりやすく動物を多く使うような企業は除外されているが、ヴィーガンETFというのには誤解を与えかねない。

一応流行りのBeyond Meatは入っているが、9月20日時点ではポートフォリオの0.1%に過ぎない。これはCNBCが指摘するように、ヴィーガンをターゲットとした上場銘柄がまだまだ少なく、更に時価総額も小さいということに起因するだろう。

Beyond Investingの言い分としては、同社の指数は、Solactive US Large Cap Indexに対し、

  • 単位収益当たりの温室効果ガス排出量:38.5%
  • 単位収益当たりの廃棄物発生量:10.8%
  • 単位収益当たりの淡水利用量:16.5%

である。(6月30日現在)

ヴィーガンETFであるかはさておき、ESG投資には適用されると思われるので、ESG投資の割合などを気にしなければならないような投資家であれば検討の余地はあるかもしれない。

まだ上場して2週間ほどしか経っていないが、上記のようなポートフォリオになっているが故に、現時点ではS&P 500と同じような値動きでやや下回るくらいで推移している。

参考文献[1]:ETF Trends, “US Vegan Climate ETF (VEGN) is Beyond Investing’s First ETF”, 13 Sep 2019

参考文献[2]:CNBC, “A vegan ETF just launched, and its holdings may surprise you”, 17 Sep 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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