アマゾンの「置き配」モデルと格安家電

以前から試験運用は行われていたが、日本でもアマゾン(amazon)による「置き配」がスタートした。サービス利用者が指定する場所(玄関横など)に荷物を置くことであり、再配達などのコストを押し下げることができ、ユーザーにとっても「盗難」が無ければ希望する時間帯に商品が家に届いているということになる。盗難や破損があった場合は再送・交換などで対応する。

参考:アマゾンも「置き配」、再配達減らす

まずは「大都市圏」からスタートということで、日本では「盗難リスク」について言及する人が多く見られ、受け入れられないのではないかという見方が強い。

しかし、筆者の考えでは「盗難があることを割り切れる人」が一定数存在し、普及する可能性がある。

というのは、既に「格安家電」においてはこのモデルが普及しているからだ。

格安家電というのは、大手の家電メーカーではなく、インターネット通販を中心に安値でそこそこの機能を提供する家電を指す。(名称は筆者が適当に名付けている。)

こうした会社から家電を買うと、想像以上に「初期不良」が多い。これは質の低さもあるが、そもそも「検品作業」が不十分である場合が多い。無論、初期不良があれば交換してくれるが、初期不良による交換が一定確率で存在しても、検品コストを大幅に下げることができるので、トータルでは利益率が上昇するというモデルである。

要するに「客に検品をさせている」わけである。このリスク(交換により実際に使える日数が遅くなるリスク)を容認できる人であれば、格安家電を使うメリットは大きい。

「置き配」モデルも、この枠組みで考えれば分かりやすい。

たまに盗難が発生して再送するコストがあったとしても、全体として再配達コストを抑えることができれば、十分にペイするというものである。

サービス利用者が「盗難による交換待ち」というリスクを引き受けることになるが、そこに例えば「配送料割引」などがあれば、利用するユーザーが増えてもおかしくはない。

無論、モラルハザード(というか詐欺)の問題は生じうるが、その辺りは他社で行われている置き配バッグなど工夫の余地はあろう。

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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