タイのセックスワーカー支援グループが売春非犯罪化を要請

ロイター通信によると、タイのセックスワーカー支援グループEmpower Foundationは、売春の非犯罪化を要請しており、議会に請願書を提出しようとしている。そのための署名活動が行われており、土曜日に開始されて以来、1,000人以上の署名が集まっている。(最終目標は10,000人)

参考文献:Reuters, “Thailand’s sex workers petition to decriminalise prostitution”, 22 Sep 2020

同グループ代表者のMai Junta氏は、セックスワーカーの80%は母親であり、家計の中で主たる稼ぎ手となっていると指摘している。

ゴーゴーバーのイメージが強く、海外から買春目的で旅行をする人が少なくないタイだが、法律上はタイでは売買春は違法である。買春に罰則は無いが、売春は最高4万バーツの罰金または2年の懲役あるいはその両方と規定されている。タイには10万人以上のセックスワーカーがいると推定されており、近隣諸国からセックスワーカーも数万人いるとされる。

ゴーゴーバーは「売春と自由恋愛の区別がつきにくい」という建前で警察は黙認している(日本のソープランドは客と風俗嬢が自由恋愛で性行為に至るという建前と似ている)一方で、路上での売春婦による客待ちは摘発する傾向にある。これは風紀も問題もあるし、マフィアが絡むケースもあってゴーゴーバーより問題が多いからである。

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大抵は少額の罰金で済むようだが、逮捕・起訴に至るケースも少なくなく、2019年は24,000人以上のセックスワーカーが摘発されている。

性産業がタイにとって大きな収入を生み出す一方で、セックスワーカーを保護する仕組みがないというのが今回の署名運動の理由だが、簡単には非犯罪化にはならないだろう。

まず、売春違法化は長年に渡る女性の権利活動家の行動により世界的に同様の流れになっているわけで、それに逆行する形は難しいのが第一だ。無論、それが逆に「職業蔑視の強化」「仕事の減少」「闇市場の拡大」などを引き起こしているという意見もある。

もう一つが「賄賂」の問題である。タイで売春非犯罪化に最も反対しているのは警察だという意見もある。これは「正義」に基づくものではなく収入の問題である。基本的にタイでは警察の給与が少ないので、(嘗てよりは少なくなったが)賄賂が副収入の一つとなっている。路上売春婦からの賄賂は収入源の一つである。

賄賂を払わなければ客待ちを維持することが難しくなるが、払っていると現在の法的に不安定な状況が維持されるという難しい構造であるわけだ。

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