日本のコーヒー輸入先としてベトナムがトップに

日経アジアレビューによれば、新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言により、2020年1~7月の日本のコーヒー輸入先として、ベトナムがブラジルを抜いて1位になった。同期間において、ブラジルからの輸入は前年比40%減の96,850トンだったのに対し、ベトナムからの輸入は26%増の67,392トンだった。

Nikkei Asian Review, “Vietnam now Japan’s top coffee supplier, fueled by COVID”, 19 Sep 2020

基本的に日本ではブラジル等で生産が盛んなアラビカ種が多く消費されているが、緊急事態宣言により多くの喫茶店が休業し、店舗でのコーヒー消費が減少した。一方で、家庭でのインスタントコーヒー消費が増え、インスタントコーヒーの香り付けに使われるロブスタ種の需要が急増したことが理由である。実際、味の素AGFによれば、第2四半期のインスタントコーヒー製品の売上高は前年比で10%増加しているという。

ベトナムはロブスタ種の生産が盛んであり、高級コーヒーへと昇格させる取り組みなども積極的に行われているが、現時点では病気に強くて安いコーヒー品種として認知されており、価格もアラビカ種よりも低い傾向にある。

一方で心配されるのは経済正常化に伴う反動である。過去40年間でロブスタ種の世界生産シェアは20%から40%に増加しているが、近年はコーヒー豆の超過供給続きである。最近はロブスタ種もやや反発の傾向が見られるが、外でコーヒーを飲むようになれば再びアラビカ種需要が増加する可能性があるだろう。

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