【マレーシア】違法オンライン賭博施設摘発としての電力遮断

無許可の宝くじや各種ギャンブルなどの違法オンライン賭博施設を運営する闇事業者について、マレーシア警察は電力会社テナガ・ナショナル<TENAGA: KLSE>と連携して、違法賭博施設の電力供給を遮断する対策を採っている。電力供給を遮断してしまえば、サーバー管理など行動が制約され摘発しやすいからである。

電力遮断は1953年のCommon Gaming Houses Actの改正法(2001年)の第21条Aと1990年のElectricity Supply Actに基づく適正な対策である。有罪判決の場合5,000-50,000RMの罰金および3年以内の懲役が定められている。

特に多いのはリゾート都市であるペナンで、今年だけで556の賭博施設の電力供給を遮断している。首都クアラルンプールでも51の施設の電力遮断が行われており、今後も同様の措置が予定されている。

違法オンライン賭博施設は一つ摘発してもイタチごっこになりやすく、証拠を綿密に集めた時にはもぬけの殻という事も少なくはないとされる。実際に、運営者の運営を困難にし、ユーザーが利用できないようにすることを優先するという意味では一定の効果を上げている。

一方で最近は違法賭博施設の隠れ蓑として喫茶店が利用されるケースが増えているという。ラップトップ1台とネットワークがあれば管理ができるので場所としてはどこでも良く、もし警察当局が乗り込んだ場合も喫茶店であれば逃げやすいというのが理由である。

参考文献[1]:FMT News / Bernama, “Power blackout flushes out back-room gambling dens”, 21 Aug 2020

参考文献[2]:Bernama, “Power supply cut off at gambling premises in Brickfields”, 22 Aug 2020

参考文献[3]:The Star / Bernama, “Gambling activities now fronted by coffeeshops”, 3 Sep 2020

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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