米国の学資ローン残高が深刻な状態であることは以前に報じた。米国では学資ローンでの破産はほぼ不可能と言われており、2018年2月に教育省が見直しを表明したが、ここにきて米国破産協会による勧告が出たことで、進展の可能性が出てきた。
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支払能力が無い学資ローンの借り手がついに安息を得られるかもしれない(MarketWatch)
- 破産申請は2007年以来最低水準を記録し、失業率も49年ぶりの低水準
- 勧告では破産の少なさの背景には好景気だけでなく「高額な裁判費用」もある
- 破産法の最後の大改正は学資ローン残高が非常に少なかった2005年であり、今のような多額の学資ローン残高が想定されていない
- 延々と利子を払い続ける困窮者が新たなスタートを切るために破産ができることが必要と主張
- 民間の学資ローンを破産して解約することを可能にする破産法改正案を提案
- 議会が法改正に動かなくても裁判官が学資ローンでの破産を認める動きにつながる可能性がある
補足
「高額な裁判費用」と「学資ローンで破産することも判例上の難しさ」の悪循環により、利子を払い続ける人にとって破産できる可能性が高まったという動きである。教育省が去年から動いており、議会で取り上げられる可能性もあるが、たとえそうでなくとも、これまでの判例を覆すような結果につながる可能性が指摘されている
一方で、1,660億ドルを超える莫大な学資ローンのうち、潜在的な破産リスクが4割以上と言われる中、実際に破産が認められ、生活困窮者が破産申請を行えば、債権者への影響が非常に大きいと言わざるを得ない。
参考文献
MarketWatch, “Bankrupt student loan borrowers could finally get a break”, 12 Apr 2019