2日、ドイツで麻疹(はしか)の予防接種を義務付ける法律「麻疹保護法(Measles Protection Act)」が施行した。これは、幼稚園、学校、医療・介護施設、難民シェルターなどの子供およびスタッフに麻疹の予防接種を義務付けるものだ。亡命希望者や難民なども対象である。
幼稚園の入園には予防接種を受けた診断書の提出が必要であり、学齢期の子供およびに予防接種をさせない保護者は最高で2,500ユーロもの罰金が科される。既に入園・入学している場合、2021年7月31日までに診断書の提出が必要となる。
この法律は11月に可決されるまでに数ヶ月の議論を要した。アウトブレイクを防ぐには少なくとも95%以上の人が予防接種を受けている必要があるが、2019年時点で93%であった。ヨーロッパでは2019年1月~10月までに10万症例が確認されており、2017年の3倍以上に達している。
法律に対して賛否両論なのは様々な理由があり、宗教的な理由、あらゆる公権力からの強制に反対する考え方など様々である。
麻疹予防接種の義務化は、フランスやイタリア、ポーランド、ハンガリーなど10以上の欧州諸国で導入されており、英国も同様の措置を検討中である。
参考文献[1]:DW, “Germany: Law mandating vaccines in schools takes effect”, 1 Mar 2020
参考文献[2]:Al Jazeera, “Measles vaccination becomes law in Germany”, 3 Mar 2020