インド国内メディアによる世論調査によれば、少しずつモディ政権の支持率が低くなっており、政権交代の可能性も指摘される。しかし、こうした世論調査は過去にも買収による捏造の疑いもかけられており、信頼度は低い。
ここで紹介するのはギャラップ社による最新世論調査(2018年10~12月)の結果である。インドで3000人の成人(各主要言語別に人口統計に合わせてサンプリング:信頼水準95%で標本誤差2.2%)に対してインタビュー形式で行われている。各質問はそれぞれの言語で作成されている。
引用元は「選挙を信頼する人の割合」「政府を信頼する人の割合」「首相の支持率」の3つのグラフが出てくるが、それを一つにまとめたのが以下である。
首相の支持率こそ2012年以降のデータしか無いが、モディ政権が誕生した2014年から支持率は非常に高く、2018年は少し下がったとは言え、発足時に近い支持率である。
また、国家政府を信頼する人の割合も同様の動きを示しており、モディ首相だけでなく政府全体に高い信頼があることが分かる。
そして、選挙を信頼する人の割合も高くなってきており、選挙不正の懸念が少なくなっているということは、それだけ現在の政治に対して信頼度も高まっている証拠であろう。こうしたデータより、与党有利と言えるだろう。
一方で懸念点としてはインド西部と南部の支持率が低いことである。以下は、地域別に見たモディ首相の支持率である。北部・中部・東部は70%以上の高い支持率であるが、西部は51%、南部に至っては43%と低い。
こうした意味で、政権交代の可能性は低いと思えるが、選挙戦の展開によっては野党が予想以上に多く議席を取る可能性がある。
参考文献
Gallup, “Confidence in Key Institutions High as India Votes”, 11 Apr 2019