崎陽軒の台湾への駅弁進出はアリ

シウマイ弁当で有名な崎陽軒が8月7日に台北駅に海外1号店「台北駅店」を開業することを発表した。「台湾版シウマイ弁当」の他、「昔ながらのシウマイ 20個入」「横濱月餅」などを発売するようである。

参考:崎陽軒プレスリリース「台湾・台北駅に海外1号店をオープン!!」2020年7月27日(PDF)

崎陽軒がプレスリリースに書いてある通り、戦前に日本から持ち込まれた文化が独自に進化し、台湾にも「駅弁(便當)」文化が存在する。但し、台湾人は温かい食事を好むので、駅弁と言っても日本のように電車に持ち込んで食べるのではなく、買ったらすぐに食べる。そこで崎陽軒は現地文化に合わせて温かい状態でシウマイ弁当を販売するようである。横浜と台湾の食文化の交錯も意図としてあるようだ。

この戦略はアリである。実際、台湾鉄路(台鉄)は高速鉄道の主要駅で9種類の弁当(便當)を販売しており、特にご飯に大きなスペアリブが載った排骨便當は年間1,000万食以上売れるほどの人気である。(下画像)

臺鐵排骨便當(八角)
出典:交通部台湾鉄路管理局

崎陽軒の「シウマイ+ご飯」という組み合わせが受け入れられるかは現時点では不明だが、駅弁文化の浸透具合から考えれば、台湾進出はかなり有望である。

日本人が「アメリカで人気」とか「フランスで人気」とか言えば行列ができるのと同様、台湾では「日本で人気」のものはとりあえず行列ができると言っても過言ではない。ココイチだって台湾では代表的なジャパニーズフードとして定着しているのである。

問題は価格である。上記排骨便當が80元(296円)なのに対し、シウマイ弁当は175元(647.5円)と倍以上の強気の値段設定である。

恐らく高くても最初は物珍しさからある程度売れると考えられる。この価格設定で定着するには、台湾人に合う味付けになっているかなど、やはり味の問題となるだろう。

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