ローマが30本の使用済ペットボトルで地下鉄に乗れる実験プログラムを開始

プラスチックごみを減少させる急進的な取り組みがヨーロッパを中心に拡がっている。もっとも、プラスチック包装を厳格に禁じると逆に環境に悪いといった意見もあり、プラスチックごみを単純に減らせば良いというわけではない難しい問題でもある。

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この度、ローマの3つの地下鉄駅で”Ricicli + Viaggi”(Recycle + Travelの意)という12ヶ月の試験プログラムを開始した。

これは、下図のような回収ボックスにペットボトル1本を入れるごとに連動するアプリに5ユーロセントが貯まり、30本分(1.5ユーロ)貯れば地下鉄に乗車できるというものだ。(1.5ユーロは地下鉄乗車券の価格である。)

ローマ市長であるヴィルジニア・ラッジ氏は、3月に「使い捨てプラスチックの禁止」を公約に掲げ、その一環として始まったプログラムで、12ヶ月の試験期間で成果が認められればプログラムを適用する駅を増やす方針である。

単純にペットボトルのリサイクルを推進してもなかなか進まない。ペットボトルの原価は非常に安いので廃ペットボトルに値段がつかないからだ。今だと原油価格がさがっているので尚更である。

例えば日本だとリサイクルするのに逆有償取引(お金を払って引き取ってもらう)をしなければならない状態だ。日本容器包装リサイクル協会によると、廃ペットボトルの落札価格は2019年上半期は-33,601円/トンである。ペットボトルの重さを20gとすれば1本引き取ってもらうのに0.67円「支払っている」計算だ。

そんな状態だから、アプリと連動してコツコツと回収し、30本分貯まったら地下鉄に乗れるというのは良いアイデアだと思う。ポイ捨てされているようなごみの収集にもつながり、税金投入の根拠としても妥当である。

この仕組みを最初に導入したのはトルコのイスタンブール地下鉄のようで、2018年後半からペットボトルやアルミ缶を入れるとカードにデポジットが貯まる仕組みがあるようで、それがモデルになっているようだ。

参考文献:Fast Company, “In Rome, you can swap 30 plastic bottles for a subway ride”, 6 Aug 2019

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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