「本物のフェアトレード」というチャンス

フェアトレード製品といえば高いというイメージを持つ人が多いだろう。実際、食品などでもかなり高いものが多い。コーヒーや果物などの農園では驚くべきほど安価で働いている人がいるので、筆者の感覚としては「一般的な製品と同程度の価格であればフェアトレード製品を買いたい」と考えるし、多くの人がそうではないかと思う。しかし、日本ではそのようなフェアトレード製品は滅多にお目にかからない。

「生産者に適正な報酬を支払うから仕方ないではないか」と考えるかもしれないがそうではない。欧米などに行けばフェアトレード製品と通常の製品でそれほど価格差は無い。

なぜなら市場価格に比べれば生産者の卸値は非常に安く、生産者に支払う金額を大幅に上げたところで小売レベルになると誤差の範囲であるからだ。例えばコーヒーなら、フェアトレード組織マックス・ハヴェラー・フランスがAFPの取材に対し答えている内容がわかりやすい。

  • マックス・ハヴェラー・フランスは、生産者にコーヒー1ポンド当たり最低1.4ドルの価格、有機栽培の場合は更にボーナスを付加
  • 流通経路が長く、こうした設定価格も「消費者価格には影響を与えない」
  • フェアトレードであっても喫茶店で支払う金額の10%に過ぎない

では何故日本のフェアトレード製品が高いのか。これについてはフェアトレード・コットン・イニシアティブがFAIRTRADEとFair Tradeの違いについて説明している。

国際的にはフェアトレード製品と言えば「国際フェアトレード認証」によるFAIRTRADEを指し、認証に統一的な基準がある上、消費者への販売価格もそれほど通常製品と変わらない。一方で日本で売られているフェアトレード(Fair Trade)製品の多くは独自基準が多く本当に生産者の役に立っているかも不透明であるケースが多いという。

本来、まともに生産者に適正な賃金を払う程度ではそれほど価格の上乗せにならないはずである。また、欧米のフェアトレード企業などは、直接生産業者から仕入れることで、生産者に適正な報酬を払っても、中間業者を少なくすることで市場価格とあまり変わらないように流通がされている。

こういう意味で、日本にフェアトレード市場はまだまだ殆ど無いと言っても過言ではなく、そういう意味で大きなチャンスがあるだろう。

参考文献[1]:Channel NewsAsia, “The coffee conundrum: Consumption is up but trade prices are low”, 13 Nov 2019

参考文献[2]:フェアトレード・コットン・イニシアティブ「「FAIRTRADE」と「Fair Trade」の違いについて」

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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