ダナンのリエンチウ港建設計画の背景

ベトナムのダナンは新しい港湾であるリエンチウ港の建設を計画している。現在使われているティエンサ港は年間860万トンの貨物を扱っているが、2023年には1,200万トンに達して容量の上限を越えてしまうと考えられているからである。

ベトナム中部という立地は歴史的に貿易拠点として優秀であり、外国からの投資も多く集まっている。最近は日本からの進出も積極的であり、ハノイ、ホーチミンに次ぐ第三の都市として今後成長性が高い都市である。

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現在のダナン市街地と既存のティエンサ港、建設計画中のリエンチウ港の場所を示したのが下図である。

ティエンサ港とリエンチウ港の位置関係
出典:Googleマップより筆者作成

現在の中心的な港湾であるティエンサ港はダナン市街地の北部にあるが、 リエンチウ港は市街地から離れた郊外にある。

一見するとティエンサ港に比べて立地が悪いように見えるが、ダナンの市街地は道路が密集しており、ティエンサ港から南北を貫く道路以外はまともな交通ルートが無く、ダナンには近くとも北部のハノイや南部のホーチミンに向けた全体的な物流を考えると立地が良いとは言えない。

新しく建設が予定されているリエンチウ港は、ハイヴァン峠と呼ばれるベトナムの北部と南部を隔てる峠を通る海外道路に隣接しており、物流面で優れている。

2016年頃から港湾建設計画が立ち上がっており、現在のプロジェクトが決まったのが2018年9月である。32.86兆ドン(14.2億ドル)かけて220ヘクタールの規模の港湾が作られる。

残されたティエンサ港はリゾート地でもあるダナンの観光港および軍事港として使われる見通しであり、観光と物流で分離する計画である。

一方で、リエンチウ港の開発は湾内の水流を変え、多くの船舶が通ることで生態系が破壊される可能性も指摘されている。シンガポールのコンサルティング会社サカエ・コーポレート・アドバイザリーは、ティエンサ港を拡張する方が影響が少ないと助言しているが、国家安全保障上の問題からティエンサ港の拡張は難しいという見方がある。

既にベトナム政府はリエンチウ港の建設計画を承認しており、開発は進んでいくと考えられる。

参考文献:VN Express, “Da Nang to ignore Singapore consultant warning, build new port”, 20 Nov 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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